子供の病気/子供の健康管理・小児科受診のポイント

子どものノロウイルス胃腸炎の症状・検査・治療・予防(2ページ目)

2012年から流行しているノロウイルスによる胃腸炎ですが、治療方法が無く、予防が大切です。特に、子どもで注意する点を説明したいと思います。

清益 功浩

清益 功浩

家庭の医学 ガイド

医師

小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院小児科・アレルギー科で診療に従事。論文・学会報告多数。診察室外で多くの方に正確な医療情報を届けたいと、インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。

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ノロウイルス胃腸炎の治療

現在は、ノロウイルスに対する特効薬はありません。胃腸炎の症状を軽減する治療と全身管理になります。

吐き気や嘔吐には、吐き気止めの薬、漢方薬を使うことがあります。整腸薬で胃腸炎の症状の軽減をはかります。下痢については、ウイルスを体内から出しているので安易に下痢止めを使うことをお勧めできませんが、下痢が頻回であるときには、症状に応じて、下痢止めを選択します。

子どもの場合は下痢が頻回ですと、おむつ皮膚炎、おむつかぶれを起こしますので、外用薬を使うこともあります。

点滴

できれば、経口補水液を。嘔吐、吐き気が強い場合は点滴が必要になります

嘔吐、下痢で注意しないといけないのが、誤嚥と脱水です。吐物が気管に入らないようしないといけません。子どもは脱水になりやすいので、経口補水液やイオン飲料を早めに飲ますようにしましょう。それでも嘔吐して、ぐったりしている場合は、点滴をすることがあります。




ノロウイルス感染予防

手洗い、食材の加熱、調理器具の消毒、殺菌が原則です。

口からウイルスが侵入すると胃腸炎になりますので、手洗いは、指の間も含めて、石鹸で30秒以上かけてしっかりと洗います。食材は食品の中心温度85℃以上で1分間以上の加熱を行えば、ノロウイルスの感染力はなくなります。ノロウイルスはアルコールでは感染力は残りますので、調理器具は、洗剤でしっかり洗って、次亜塩素酸ナトリウムで浸すように拭くように拭きます。または、85℃以上の熱湯で1分以上加熱します。

吐物も便も扱いに注意し、特に乳幼児でおむつをすぐに袋に入れて、次亜塩素酸ナトリウムにつけるといいでしょう。寝具や衣服は、可能なら85℃以上1分以上の熱水洗濯をして、高温乾燥が良いでしょう。

次亜塩素酸ナトリウムは漂白剤でもあり、金属を腐敗させますので、使い方には注意しましょう。

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