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SONY DESIGN-BRAVIA-の秘密(前編)(2ページ目)

増々大型化する薄型TV。室内空間では絶対的な存在となってきた。と同時にそのデザインが気になるアイテム。そこで世界的ブランド「SONY」のBRAVIAを手掛けたデザイナーにインタビューした。協力:ソニー株式会社

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

ボクがしつこくやっていた
BRAVIAのフローティングデザイン



……以前ボクは銀座のソニーショールームで「クオリア」というとんでもなく画像が奇麗なブラウン管TVを見ました。その時あまりの奇麗さに立ちすくみました、ホントに。

新津 そうですね、アレがブラウン管TVの最後ですね。

……ボクにはあんな凄いブラウン管TVをつくったということは、SONYはなにが何でも画質の良くない液晶やプラズマTVではなく、ブラウン管をつらぬくぞ!という意思表示に映ったのですが。。

新津 クオリアはそれぞれのカテゴリーの中で最高の商品を提供するというブランドです。ブラウン管クオリアは画像という切り口で最高の画質をユーザーに提供する。ところが、ユーザーが望んだのは、最高画質よりも大画面とか薄型とかに移ってしまっていた。
ブラウン管開発の人たちはなんであんなに画質の悪いものが・・・って最後まで言っていました。
でも、気づいたのです。
液晶やプラズマが出始めて、このままブラウン管にしがみついていたら
「ヤバイ!」と思いました。


それで、私はブラウン管を設計している部門(技術者)へデザイナー数名とのりこんで、二つお願いした。ひとつは奥行半分にしてくれ、もう一つはブラウン管ではないディバイス(装置)をと。その時SONYはフラットブラウン管真っただ中で、ブラウン管TVでは一人勝ち状態だったですから、なかなか聞き入れてもらえなかった。
そんな経緯でBRAVIAの担当となったのです。

……もし、ブラビアが失敗していたら・・・・・

新津 今思うと相当オモタイ仕事のひとつ。
いやぁ、そんなに重要なんだと意識すると手が動かなくなってしまうが、新聞等の情報をみるとブラビアはそんなに売れているのぅ。いやぁ、まいっちゃうよなぁ~てね。

そうです、BRAVIAはSONYの中でも最重要カテゴリーです。(SONY広報センターの吉田さん) 


新津 当時、SONYは薄型TV部門では他社より遅れをとり、会社全体でも業績の悪い時期だった。マーケティング等から入ったデザインだったらBRAVIAのフローティングデザインは出来なかった。
はっきり言って、私個人の思い入れですから。。。ボクは、しつこくやっていたんだ。(一同笑い)

……同様なデザインは他にありますか?


新津 中国のマネし放題のメーカーは、やってますがね…中国では、このフローティングデザインはプラズマの代名詞になっている。

……BRAVIAはどういうネーミング?

新津 BRAVO(ブラボー)からきていると聞いている。版権などの事情からBRAVIAという造語をつくった。

……まさに、「BRAVO!」ですね!
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