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WPR#36 神業!バンブーファニチャー(前)

世界の竹工芸のコレクターたちに『God Hands!』と賞賛された別府竹工芸。そこでガイドが見たものとは・・・。ガイド自らカメラ片手のプレス・レポートです。取材協力:大分県竹工芸・訓練支援センター

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

湯けむりと伝統工芸の街、大分・別府



九州・大分は、「一村一品運動発祥の地」・・・佐賀関の「関あじ・関さば」、湯の町「湯布院・別府」、小粒で甘い「津久見・杵築みかん」、肉厚で旨味のある「どんこ椎茸」、下町のナポレオン「いいちこ」……等々、海に山に、自然の恵みが豊かな環境がある。
四国と隔てる豊後水道、熊本・宮崎・福岡、周囲の連山に囲まれた穏やかで風光明媚な景色が美しい。


穏やかな別府湾を挟んで手前が湯の町・別府市、向こう側が大分市。大分市の中央右上の白い建物が、2002年日韓W杯時・九州で唯一の開催スタジアムであり、大分トリニータのホーム:九石ドーム・・・穏やかな景色でしょ!


ここ大分は、伝統工芸の地でもある。
中でも竹細工は、大分・別府の特産品の一つであり、日本が世界に誇る伝統工芸のひとつ。幼い頃(ボクは子供時代、大分・別府で過ごした)、あたり前のようにそこらにあった竹のザルやカゴ、街を歩けば温泉の湯けむりと竹のにおいがした……とても、懐かしい。
しかし、その歴史や現状はあまり知らない。ただ単に「あー、竹製品か、民芸品かぁ」のひとくくりでとらえてしまう。
デザインに従事しているボクにとって、『日本のオリジナリティー』は大切なキーワードのひとつ。これは、是非とも竹工芸のルーツを、その現状を、素材について、生産地・職人さんはどんな方が?・・知らなければと、県へ問い合わせてみた。
そしてご紹介いただいたのが、今回ご紹介する『大分県竹工芸・訓練支援センター』である。


湯の町・別府。湯けむりの乾いたにおいも心地よく、駅から車で5~6分程で到着した大分県竹工芸支援センター・研究指導課



全国でここ一カ所しかない竹工芸・支援センター


大分県竹工芸支援センター・研究指導課:宮崎徹氏にお話を伺った。

『大分県は自然環境や風土に根ざした地域工芸が別府や日田などに伝承されています。別府周辺には、世界的な温泉地と相互に共生しながら、竹細工、つげ細工、唐木家具などが栄え、中でも別府竹細工は、大分県内に産出する良質の真竹(マダケ・・産出量は全国一)を活用し、県を代表する伝統的産業なのです。昭和54年には伝統工芸品に指定されました。
当センターでは、竹工芸産業の振興や発展を目的に職業能力開発や研修生の受け入れなどによる人材・後継者の育成と研究開発、技術支援・振興の両面から支援をしています。』
昭和13年に大分県工業試験場別府工芸指導所の設置をスタートに、平成13年に大分竹工芸・訓練支援センターとして発足した。現在、竹の職業訓練所としては、全国でここ一カ所しかなく、年間20名の訓練工に訓練期間一年間、しかも無料で指導しているという。


沢山の資料や貴重なお話をしていただいた大分県竹工芸支援センター・研究指導課:宮崎徹氏


さて、
宮崎さんには色々と興味深いお話を伺ったが、その中でも思わずボクが唸ってしまった『アメリカ人の熱烈な竹工芸コレクターとの出会いとバンブーチェア』をご紹介しよう。
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