SUBARU(スバル)/フォレスター

新型フォレスターはオンもオフロードもイケル!(2ページ目)

フォレスターが4代目となるフルモデルチェンジを受けた。スバルにはレガシィやインプレッサといった看板車種があり、その影に隠れがちだが新型は気合い十分。買い得感十分のモデルに仕上がっている。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド


NAエンジンで十分

リヤビュー

最低地上高は220mm、対地障害角も十分で雪道や林道などでも安心して走破できる。「シルバールーフレール」は、「2.0i」以上に標準装備する


水平対向エンジンは、2.0L NAとレガシィで初搭載された2.0L直噴ターボの「DIT」で、後者はレガシィの300ps/400Nmには及ばないが、280ps/350Nmを誇る。出力とトルクを抑えたのはSUVであり、低速域とオフロードでの扱いやすさに配慮したもの。

6MTも一部グレードに設定するが、新型フォレスターの主力は新リニアトロニックと呼ぶCVTで、こちらもインプレッサやレガシィでの実績がある。売れ筋グレードの「アイサイト2」装着車はCVTのみ。

まず試乗したのはNAだが、上り坂でもまったく不足はない。もう少しパワーが欲しければ「SI-DRIVE」を「I」から「S」にすればいい。山道だけでなく高速道路への合流や追い越し時にも重宝するから、できれば「SI-DRIVE」とアイドリングストップが付く「20i-L」以上を選択したいところだ。

ちなみに、アウトランダーの150ps/190Nmと比較すると、フォレスターのNAは148ps/196Nmと大差ないが、トルクの出方やパワーの伸びはフォレスターが若干上回る印象で、「SI-DRIVE」の効果も絶大。

注目のターボも魅力だが

オフロード

「X-MODE」により対角の2輪が浮いた状態でも脱出できるのが自慢だ。雪道などでも頼もしい武器になってくれるはず


スバリストから注目されるはずの2.0L「DIT」は、やっぱり水平対向はターボだろう! という声に十分応えてくれる出来映え。トルクの出方が紳士的でレガシィほどの強烈な加速感はないが、登坂路でも「I」モードのままぐんぐん登っていくし、「S」に高速の伸びも良く、周囲の景色がすっ飛んでいく。でも、普通に走る分にはNAで十分だ。

飛ばしても安心感は大きく、220mmのロードクリアランスを確保するSUVとは思えないほど正確なハンドリングでコーナーをクリアできる。もちろんある程度ロールはするが、ロールスピードがゆっくりで恐怖感はない。CX-5は数センチ単位でコントロールできそうなくらい超正確で驚かされるが、フォレスターはイイ意味で普通で、かえって疲れにくいかも。

遮音などを含めたトータルの快適性は、CR-Vの方が少し上質のように思えたが、ハンドリングと乗り心地のバランスの良さはフォレスターの美点といえる。

注目の「X-MODE」とは?

X-MODE

「X-MODE」はボタン操作のオン/オフだけで難しい操作は不要


駆動方式はスバル自慢のシンメトリカルAWDで、「新世代アクティブトルクスピリット」を謳う。4輪の回転差補正、ハンドル角やヨーレート、横加速度信号を使うことで前後輪のトルク配分制度を向上させているという。

今回はユーザーに分かりやすい仕掛けとして、「X-MODE」と呼ぶオフロード走行時のスイッチを用意したのがニュースだ。

誰でも操作しやすいようにスイッチはひとつだけで、オン/オフのみで選択できる。オフロード専用コースで試乗したが、徒歩では滑ってしまって登れないような上り坂でも難なくクリアしてしまう。

急な上りでも下り坂でも「X-MODE」オンの状態で20km/h以下であればヒルディセントコントロールも効く。もちろん、ヒルスタートアシストもあるから坂道での発進でも安心だ。直結4WDほどの悪路走破性はもちろん期待できないが、走行可能な公道であれば走れない道はないだろう。

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