志望校選びのポイント
校風、教育の特色、部活動、大学合格実績など、重要だと思う項目を書き出してみましょう
高校別の大学進学実績をみると、首都圏や関西圏の大都市圏では私立高校が上位を占めますが、地方では公立高校の検討が目立ちます。大学進学実績が優れた私立高校は、併設中学からの内部進学者数を増やし、高校での募集を減らしたり高校募集を停止する学校が相次いでおり、高校からトップ私立高校に進学するのは狭き門となっています。
公立高校の推薦入試は、学校長の推薦などをもとに内申書、面接、小論文などによって合否が判定されます。通常、推薦入試では学力テストは実施されませんが、推薦入試を受けるためには高い内申点が必要です(推薦入試での募集枠は、都道府県によって多少の違いはありますが、概ね総定員数の30%程度です)。
トップ私立高校や国立高校を第一志望とする生徒、公立高校の推薦入試を受ける一部の生徒を除いて、多くの生徒は公立高校の一般入試(第一志望)と私立高校(滑り止め)を併願することになります。
公立高校の一般入試の合否判定は、学力テストの得点だけではなく内申点も加味されて行われますし、公立高校の一般入試の倍率は概ね1倍~1.2倍程度となっています。したがって、自分の内申点にあった学校を志望すれば、学力テストでよっぽど失敗しない限り合格可能性は高いといえます。逆に言うと、内申点が志望校のレベルに達していないと学力テストでよほど上積みしない限り逆転は難しいといわざるを得ません。
したがって、公立高校の志望校を決めるときには、自分の内申点に合った学校を選ぶことが大切です。志望校選びのポイントは、校風、教育の特色、部活動、大学合格実績など、自分が重要だと思う項目を書き出してみましょう。「高校で海外留学したい」など、自分の希望を書き出してみることで、行きたい高校が何校か見えてくると思います。そして、その中から合格可能な範囲で最も偏差値が高い高校を選んでおくのがいいでしょう。
最近は公立高校の復権が言われていますが、全ての公立高校が親身になって受験指導をしてくれるわけではありません。偏差値で志望校を選ぶことに対して否定的な意見もあると思いますが、一般的に偏差値の高い高校の方が将来の選択の幅が拡がりますし、大学受験指導にも熱心に取り組んでくれます。
受験直前の勉強法
志望校が決まったら、実際の入試の過去問に取り組みましょう。試験時間は都道府県によって異なりますが、公立高校の一般入試の試験時間は1教科45分から60分です。過去問を解くときには、入試本番と同じ制限時間で取り組むこと。この学習方法は、しっかり取り組む問題とそうでない問題を分けて、効果的に得点できる力を身に付けることにつながります。過去問を解いて、自分が得意な分野と苦手な分野が把握できたら、次は自分が残りの期間で対策すべき分野、問題に優先順位をつけましょう。
合格点までの不足が10点未満の教科は、得意なのにミスしてしまっている問題や得意な単元をもう少し伸ばすなど、取れる点を確実に取るための勉強を心がけましょう。一方、合格点までの不足が10点以上の教科は、自分が苦手な単元を克服するようにしてください。
その際の注意点は、あれもこれもと欲張らないこと。入試まで1ヶ月を切ってから、全く歯が立たない単元を頑張って学習しても得点アップは期待できません。それよりも、少し難しいと感じている単元を集中的に学習するほうが効果的です。