雪組トップスター時代
2010年 | 『はじめて愛した』ガイ・コンスタンティン |
2011年 | 『ロミオとジュリエット』 ロミオ |
2011年 | 『黒い瞳』ニコライ |
2011年 | 『ハウ・トゥー・サクシード』フィンチ |
2011年 | 『仮面の男』ルイ14世/フィリップ |
2011年 | 『Samourai』前田正名 |
2012年 | 『ドン・カルロス』ドン・カルロス |
2012年 | 『フットルース』レン |
2012年 | 『JIN-仁-』南方 仁 |
音月 桂さん……ついこの間、新人公演に出演していた気がします。月日の経つのはなんと早いことか。
歌、ダンス、芝居と三拍子揃い、甘いルックスに抜群のスタイル。若手の頃から注目され、芝居でもショーでも、音月さんの存在は大きく、雪組の戦力として活躍しました。
新人公演初主演は『猛き黄金の国』の岩崎弥太郎。現在、宝塚歌劇団理事で専科の轟 悠さんの代表作の一つともいわれる、豪快で粗野な部分もあるこの難役を、わずか研4で堂々と演じ、大器の片鱗をうかがわせます。
これに始まり、新人公演主演を5度も務めました。
2004年には、轟 悠さん主演の特別公演『花供養』にて、二番手格の近衛信尋に抜擢されます。日本物かつ歌も踊りもないストレートプレイという緊張感あふれる作品でしたが、丁寧な演技、口跡の良さ、品格は、10年に一人の逸材を感じさせました。
中性的な魅力もあり、『スサノオ』のアメノウズメや『青い鳥を捜して』のシモーヌ、『外伝 ベルサイユのばら―ジェローデル編―』オスカルなど女役(?)もチャーミングで評判でした。
反面、『銀の狼』のジャンルイ、『星影の人』の土方歳三、『ソルフェリーノの夜明け』のアンドレ・ボルリノなど、大人の男、黒っぽいイメージの役も魅力的。
伸びやかで迫力ある歌唱力で満足させてくれたのが『エリザベート』のルイジ・ルキーニ。ナイフのような鋭さと、色気さえ感じるエキセントリックさに引き付けられました。
また『ZORRO 仮面のメサイア』では、迫真の演技で言葉を捨てたベルナルドを熱演し、表現力の高さを再確認させてくれました。
舞台以外でも、2007年、当時のトップスター・水 夏希さんを筆頭に雪組スターで結成されたユニット「AQUA5」のメンバーに選ばれ、世界陸上の開会式、歌番組、バラエティー番組などに出演します。
また2007年12月より三井住友VISAカードのイメージキャラクターにも就任し、宝塚歌劇団の顔として活躍しました。
満を持してのトップスターお披露目は『はじめて愛した』。革ジャンにソフト帽。哀愁を帯びた殺し屋ガイで新境地を開きました。
本公演お披露目は、抜群の歌唱力を持つ音月さんにぴったりな作品『ロミオとジュリエット』のロミオ。甘美で純粋、そして苦悩する様を、まろやかな歌声で表現しました。