上下左右に3~4回回せば形は整う
私と夫は別の店舗であったが、たこ焼屋を経験していた。たこ焼については同じ見解なので、それについてお教えする。
家庭用のたこ焼器と業務用では火力がまったく違うが、基本的なことはまったく同じ。
たこ焼屋に勤め始めたばかりの初心者は、なにしろたこ焼を「いじりすぎる」。表面がやっと固まり始めたか、という程度で回そうとする。それじゃぁ、ぐっちゃぐちゃになっちまうよ、あんさん。
手持ち無沙汰になって、もどかしくなる気持ちはよく分かるが、たこ焼のために、ひたすら手を止めて待つのだ。生地を流し込んだたこ焼器の穴の縁をよく観察しながら、生地の火の通り具合を見極める。それが肝心。
ふにゃふにゃのころに回すよりは、すこし焦げたくらいで回したほうが回しやすいし、なによりも鉄板の型に沿った丸い形に整う。鉄板と生地の境目にピックを挿してたこ焼を持ち上げ、生地の焼き具合を確かめるのも一つの方法だ。職場では、だいたい160度回転させていたから、上下左右に3~4回回せば形は整う計算だ。
最後に焼き時間の目安だが、火力の強い業務用で5~10分。家庭用なら火力が弱いから、15~20分くらいはみておいてもいいかもしれない。その中で3~4回回転させるのだから、5分に1度、ピック(千枚通し)を挿し回せばよいということになる。
ただし、上記の時間はあくまで目安。「焼けたかどうだか見てみよう」という観察、そして状況判断が重要なのである。