音質優先で選ぶ
この夏に登場したダイヤトーン・サウンド・ナビは、カーナビの音質の水準を大きく上げた。「音の良いカーナビ」というよりは「カーナビ付きの高級カーオーディオ」といったほうがふさわしいレベルだ。このモデルの売れ行きが示しているように、カーナビを選ぶ基準として「音の良さ」に高いプライオリティをおいている人もいると思う。そんな人がカーナビを選ぶなら、やはりダイヤトーン・サウンド・ナビが第一候補だが、ほかの選択肢もある。たとえばアルパインの「ビッグX」VIE-X008。ダイヤトーンとは音の傾向が違うが、これも音が良い。とくに中~低域のエネルギー感は、外部アンプで鳴らしていると勘違いしそうなくらい力強いもの。これはダンピングファクターが高い新開発のパワーICの搭載やナチュラルクリッピング技術の採用、メモリーナビが効いているようだ。
クラリオンの「01DRIVE」Z8/Z17F(288,750円)はフルデジタルスピーカーシステムだが、ヘッドユニットがNX712同等のナビ機能を持っているので、音の良いナビに入れてもいいだろう。フロントスピーカー+AVナビのセットで、スピーカーへ直接デジタル信号を送り込んで音を再生するという世界初の技術を採用している。このフルデジタルスピーカーシステムは、音の良さもさることながら省電力も特徴で、従来の約2分の1の電圧で駆動でき、消費電力は従来の約8分の1で済む。今後主流になりそうなEV車やHV車は、電力消費が走行可能距離に直結するだけに、カーナビ&カーオーディオの省エネが求められるわけだが、そんな時代にもぴったりのカーナビといえる。
これら2機種は、車種専用だから装着できるクルマは限られるが、カーナビを使うのは年の数回、遠出するときだけというなら、カーナビの性能より音質を重視して選ぶという手もありだ。