「聞く」「聴く」「訊く」
子どもはみんな、ママに話を聞いて欲しいものなのです
「きく」という動作には、三つの種類があります。一つ目は「聞く」。これがみなさんが一番馴染みがある動作ではないでしょうか。聞くとは「耳に入ってくる」ことを指します。つまり取捨を聞いた人間が選べる動作。ということは「聞き流す(聞いていながらに無視する)」ことも可能になるということなのです。きき上手になれない人は「聞いて」しまうため、取捨を間違ってしまった結果、きき上手になり損なっている可能性があると考えられます。
二つ目は「聴く」。これはカウンセリングなどでおなじみの「傾聴」と言われるもの。カウンセリングの世界には「14の心を傾けて聴く」という言葉もあるそうです。その14の心とは、次にあげるものになります。
1 「美」しい心で聴く
2 「新」しい心で聴く
3 「広」い心で聴く
4 「楽」しい心で聴く(きいて、たのしくなる)
5 「嬉」しい心で聴く(きいて、うれしくなる)
6 「面」白い心で聴く(きいて、おもしろさがわかる)
7 微「笑」みの心で聴く(きいて、ほほえましくなる)
8 素「晴」らしい心で聴く(きいて、すばらしさがわかる)
9 「悲」しい心を聴く(かなしみを共感する心できく)
10 「苦」しい心を聴く(苦しみを共感する心できく)
11 「愛」しい心で聴く
12 「労」わる心で聴く
13 「憂」う心で聴く
14 感「謝」する心で聴く
また、この14がどこから来たかというと、「聴」という字の成り立ちにあるようで耳、十、四、心で「聴」になるところから来ているのだとか。カウンセリングの手法にロージャースの来談者中心療法という手法があるのですが、この方法では「来談者が自ら治りに来ている」という観点から聴く以外のことはしないそうです。つまり傾聴以外しないということなので、カウンセラーはオウム返しをしたり、相槌を打つことのみに終始するそうで。でも、これも「きき上手」とはまた違ったものですね。
三つ目の「きく」は、「訊く」。つまり「尋ねる」、質問することです。これがないと基本的にコミュニケーションは広がりません。味もそっけもないものになってしまい、会話は沈んでしまうのです。そう、きき上手になるヒントは「質問上手」かどうかにあったのです。うまいインタビュアーは、相手の引き出しを開けるのがとてもうまいといいます。確かにきき上手といわれる人は、質問上手ですよね。作家の阿川佐和子さんは、きき上手なインタビュアーとして有名ですが、阿川さんのきき方はまさに「訊く」そのものな気がします。訊くことがわたしにはよく判らないという方はぜひ、参考にされてみてはいかがでしょうか?
そのほかに、聞き上手になるために知っておくべきこととは?