記念貨幣・記念コインとは?
まずは記念貨幣とは何か知ろう
さて、記念貨幣とは、国家的行事・出来事を記念し、日本の場合、閣議の決定を経たうえで発行される特別な貨幣になります。
記念貨幣というと貨幣も紙幣も含みますが、硬貨だけを表す場合、記念コインや記念硬貨と呼んで区別する場合があります。実は日本においては、これまでに発行されたものはすべて記念コインであり、紙幣では発行されたことがないため、記念コインが発行されているという言い方が実際には正しいといえます。
記念貨幣は世界各国にて発行されており、風景や人物、建造物、動物など図案は様々。一枚一枚図柄や形、色、歴史的経緯、つくられた背景などを知ることで収集すればするほど楽しくなるといえます。
日本で最初に発行された記念貨幣(実際には記念コイン)とは?
日本で初めて発行された記念貨幣は、昭和39(1964)年の東京オリンピックを記念して発行された『東京オリンピック記念1,000円銀貨、100円銀貨』になります。1,000円銀貨は1,500万枚、100円銀貨は8,000万枚発行されました。もしかすると既に保有されている方もいらっしゃるかもしれません。これだけの枚数が発行された経緯には、オリンピック大会の運営費をまかなう側面があったといえます。それ以降の各国で開催されたオリンピックでは大会においても、大会の運営費をまかなう目的も含めて記念貨幣が発行されています。
1,000円銀貨は日本の象徴である富士山と国花の桜をあしらうデザインになっています。一方、100円銀貨は五輪と聖火があしらわれています。現在、コインショップなどでは、未使用のもので1,000円銀貨は3,000円~5,000円前後、100円銀貨は300円~500円前後で販売されているケースが多いです。
日本においては、記念硬貨はまだ50年ほどの歴史しかないため、集めやすいといえます。東京オリンピック記念コインに始まり、現在では1万円金貨や10万円金貨といった高価な記念コイン(プレミアム貨幣といいます)や手ごろに入手できる500円記念コイン、記念貨貨幣セット、収集用を目的にしたプルーフなど種類も増えてきています。これからいろいろと解説していきますね。
世界で最初の記念貨幣はローマ帝国が発行
それでは世界で最初に記念貨幣を発行したのはどこの国でしょうか?実は時代はかなりさかのぼり、ローマ帝国の時代に既に記念貨幣は発行されていたのです。ローマ帝国では、戦争で勝利した際に記念貨幣を発行した経緯があります。これには勝利したローマ帝国の権威を知らしめる意味合いも込められていたといえます。その後、中世ヨーロッパにおいても数多くの記念貨幣が発行されており、皇帝や国王の肖像がメインで描かれていました。これには新しい君主が誰なのか知らせる意味合いもあったといえます。
このように世界を見ると記念貨幣の歴史は古く、それぞれの記念貨幣には戦争や文化、皇位継承、国の変遷など歴史を垣間見ることができます。想像するだけでもわくわくしますよね。
なお、最近では、アメリカの50州それぞれの特徴が描かれた25セント硬貨や、ヨーロッパの2ユーロ記念硬貨、日本では地方自治法60周年記念貨幣などシリーズものや毎年発行されるような記念貨幣もでてきています。
記念貨幣は、シリーズものを集める楽しさや歴史を感じとりながら集める、資産として保有するなどいろいろな理由をもとに収集可能です。是非お読みになられた皆さんも、一緒に収集していきましょう!