不動産売却・査定/不動産売却の流れ・基礎知識

売り手として知っておきたい成約までの流れ

不動産売却をする売り手として「まず何をすればいいの?」、「どこまで自分でやらなくてはいけないの?」「不動産会社がやってくれることは?」などの疑問を成約までの流れから確認してみましょう。売却前、売却中で知っておきたいこと、気をつけたいことのキホンを解説しています。

風戸 裕樹

執筆者:風戸 裕樹

不動産売却・査定ガイド

不動産を売り出す際の「売出価格」とは

売り手が売却を開始する前に、大事なことは「売出価格」を決めることと「不動産会社(仲介会社)」を決めることです。「売出価格」は、仲介会社から提示を受けた「査定価格」を参考にした上で最終的には自分で決めることになります。

売出価格は、売り手の売却事情に応じて変えるのが一般的です。例えば、ローンの残り(残債)がある方は、その金額以下の価格で売ることは難しいでしょうし、また早く売却しなくてはいけない事情がある方は、査定価格よりも大幅に高い価格での売り出しでは目標の期日までに売却することができないかもしれません。

「売出価格」を決めるのは自分自身ではありますが、スケジュールや事情を仲介会社に話し、プロとしてのアドバイスをもらいながら決めるのがよいでしょう。


STEP1 仲介会社の選定

大事な資産の売却ですから、じっくりと信頼できる仲介会社を選びましょう。

大事な資産の売却ですから、じっくりと信頼できる仲介会社を選びましょう

売出価格を決めると同時に、売却を依頼する仲介会社を選定します。一般的には査定をお願いした仲介会社の中から選ぶことが多いです。

実は仲介会社の数はとても多いのです。多数の営業所を持つような全国規模の大手の会社から、鉄道会社の系列で沿線のことをよく知っている会社、地元に地域密着をしている会社など、多くの会社があります。

会社は多くありますので、全ての会社の担当者を見比べるのは不可能です。もちろん全ての会社に査定を依頼することも大変な作業となります。現実的には、いくつかの仲介会社を決めて査定や相談の依頼をし、会社のサービス内容や実績、営業担当者の話を聞いた上で自分の希望にあっている会社や担当者を選びましょう。


STEP2 媒介契約書の締結

仲介会社を選定すると、「媒介契約書」という書類に書名捺印をします。媒介契約書とは、簡単に言うと「あなたに仲介の依頼をします」という契約書です。中古の不動産における取引で仲介会社が介在する場合に必要になります。そのため、この契約書は売却時の売り手に必要な契約書であるとともに買い手にとっても必要になる書類です。媒介契約書の締結に費用は発生しません。

媒介契約書には3種類あります。

・「専属専任媒介契約書」
・「専任媒介契約書」
・「一般媒介契約書」

「専属専任媒介契約」は媒介契約書の中で一番拘束力がある契約です。1社の仲介会社に依頼する契約であるとともに、売り手の知り合いなどが買い手となる取引(自己発見取引)の場合でも、仲介会社に仲介手数料を支払わなくてはいけません。また、仲介会社は売り手に1週間に1回以上の売却活動の報告義務があります。

「専任媒介契約」は1社の仲介会社に依頼する契約ですが、自己発見取引については仲介会社を介在させる必要がありません。この場合、仲介手数料は発生しません。また、仲介会社は売り手に2週間に1回以上の報告義務があります。

「一般媒介契約」は複数の仲介会社に同時に依頼することができる契約です。また、仲介会社は売り手に対し売却活動の報告義務はありません。

仲介会社の提案と戦略を比較しながら、自分に合った種類の媒介契約を決めると良いと思います。

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