偏差値は模試の受験者の相対的な位置を数値化したもの

志望校を選ぶときに、誰もが参考にするのが偏差値表。しかし、昨今の入試事情によって、偏差値表にも微妙な変化が起こっています。
偏差値とは、ある母集団で当該数値がどこに位置しているかを示すもの。たとえば、子どもから「テストで90点とった!」と言われても、「ほとんどの子が満点をとれるような簡単なテストだったのか?」、「90点以上とれた子が誰もいないくらい難しいテストだったのか?」が分からなければ、「90点」がそもそも相対的に良い得点なのか、悪い得点なのかを判断できません。そんなときに偏差値が役に立ちます。
偏差値は母集団(模試の受験者)の相対的な位置を数値化したものであり、「偏差値50前後ならば普通、それより高ければ良く、低ければ悪い」となります。
同じ学校でも塾によってA判定の偏差値が違うように、受験母体となる集団によってもかなり違った結果が出てきます。中堅校を志望している受験者の割合が多い模試を受けたときには、偏差値は上がりますし、逆に難関校を志望している受験者の割合が多い模試を受けたときには、偏差値は下がります。
また、受験者数の少ない模試の場合には、偏差値としては信憑性に欠ける場合があるので注意したいところです。塾の合格実績を参考に、志望校の受験者層が多い模試を受けることが望ましいです。

受験校を決定するときに大切なことは、親子で入学してもいい中学校を決めておくこと

志望校を決定するときには、直近3回分の模試の偏差値を用意しておきましょう

志望校を決定するときには、直近3回分の模試の偏差値を用意しておきましょう

受験校を決定するときの重要な判断基準になる偏差値ですが、この数年間で偏差値表は縦にも横にも長くなりました。偏差値表には、「A中学(B日程)」「A中学(午後)」など同じ学校がいろいろな偏差値レベルに登場します。
ここ数年、午後入試を導入する学校が増えてきました。午後入試によって「受験の競争率が高くなって、合格が難しくなるのでは」、「午前・午後と連続して受験するのは、体力的に厳しいのでは」と心配しておられる保護者も多いですが、一般的には午後入試を組み込んだ受験は、「精神的には楽」なのです。
統一入試日(入試解禁日)の合否結果が、その後の入試の大きな影響を及ぼすことがありますが、午後入試を利用すれば、仮に統一入試日の結果が良くなかったとしても、合否判定が出る前に受験をできますので、入試で実力を発揮できなくなるというリスクを軽減できます。
同じ学校でも試験日によって難易度が大きく変わるのですから、中学入試は「何日にどの学校を受験するか」を選ぶ時代になりました。
一部の最難関中学を除き、多くの中学校が複数回の受験を設定しており、受験者には多様な選択肢が用意されています。この多様な選択肢から、お子さんに最適な併願受験パターンを見つけることが中学受験を成功させる鍵になります。

受験校を決定するときに最も大切なことは、最悪のことを想定した受験パターンをシミュレーションしておく、親子で入学してもいい中学校を決めておくことです。
中学入試の場合は3校程度に出願するのが一般的です。。

平均偏差値を基準に本人の実力に合った受験校を選ぶ

国語 算数 理科 社会 4教科合計
9月の模試 60 56 58 50 57
10月の模試 54 58 57 53 55
11月の模試 58 59 54 55 56

たとえば、3回の模試の結果が上表だったとしましょう。
この生徒の各教科の最高偏差値は、国語60、算数58、理科58、社会55となります。本命校は、この各教科の最高偏差値を基準に選ぶといいでしょう。次に、過去3回の4教科合計(志望校が、3教科受験なら3教科合計)の平均偏差値を基準に本人の実力に合った受験校を選びましょう。そして、滑り止めの学校を選ぶときには、過去3回の各教科の最低偏差値を基準にして選ぶようにしてください。
ただし、滑り止めの学校を受けるか否かは親子で前もって話し合っておいてください。リーマンショックまでは、「何が何でも私立中学に」という家庭が多かったですが、リーマンショック以降は「この学校に合格しなかったら、公立中学に進学する」という家庭も増えています。どちらの方針が正しいという唯一無二の正解はありませんので、親子で話し合ってください。

地域によっても違いはあるかもしれませんが、首都圏や関西圏の都市部では、他校の合格発表が終わった後に願書を受け付ける学校があります。不合格が判明した後に、どこの学校が出願可能かを慌てて調べるのではなく、「A学校が不合格だったときには、B学校に出願する」というような、最悪を想定した受験パターンを前もってシミュレーションしておくと安心して受験に臨めるでしょう。

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