家事動線は短いほど効率的、
生活動線も同じと考えよう

2ウェイキッチン

家事動線が良い例としては2方向に出入り口のあるキッチンが挙げられることが多い

住宅内の家事のしやすさを考える上で、よく使われるのは家事動線という言葉です。炊事、洗濯、掃除などの家事を行う際に動く距離が長いか短いかでその住まいの機能性、居住性を考えるというもので、家事動線は短いほど機能的、居住性が高い住まいとされます。

 

生活動線

我が家から会社までの往復を家事動線に見立てて往復を無駄なく使いこなしたいものだ

同様のことが働く主婦の住宅外の行動にも当てはまるだろうと考えています。通勤、子どもの送り迎え、買い物その他毎日の行動を「生活動線」として考えるとすると、これもまた、短いほうが効率的であるはずです。その視点から、住まいの周囲のどの方向、位置にどのような施設があったら使い勝手が良いかを考えるようにすると、効率的に生活できる住まいが選べるのではないでしょうか。

 

利用頻度から生活に必要な施設を
3段階に分けてみよう

八百屋さん

野菜や牛乳、パンなど毎日の食卓に必要な品はできるだけ近いトコロでささっと買える立地が良い

それを考える前にまずやっておきたいのは、日常買い物その他で利用する頻度に合わせて必要な施設を分類しておくことです。たいていの場合、
1 ほぼ毎日あるいは2~3日に1度など非常によく利用する施設、
2 毎週あるいは隔週に1回利用する施設、
3 それ以下の頻度で利用する施設
と大体、3種類くらいに分けられるのではないかと思います。利用頻度で考えると、1はやはり徒歩圏でなくては困ります。できれば5分、遠くても10分圏くらいに欲しいところで、私の場合でいえばスーパー、コンビニ、八百屋さん、パン屋さん、酒屋さんというところでしょうか。人によってはクリーニング屋さんはしょっちゅう利用するけれど、酒屋は不要、あるいは豆腐屋さんは近くに欲しいなど要望はそれぞれだと思いますから、自分の毎日にはどんな施設が必要なのかを考えてみてください。

 

買い物

週末の買い物には郊外の商業施設、大型店などを利用する人が多い。家族と、友人と出かける楽しみもある

次に2ですが、これは週末などにまとめ買いに行くような場所と考えるのが一般的でしょう。徒歩圏にあればそれも良し、週に1度くらいであれば、車あるいは電車利用で10分、20分程度までなら許容範囲でしょう。最後の3は、たまにお出かけ気分で行く場所と考えれば、もっと遠くても構わないはずです。

 
利用頻度で施設を分ける

住まいの周辺に欲しい施設を利用頻度で3段階に分けてみる(クリックで拡大します)


終日過ごせる公園

住まいの近所の公園はよくチェックするものの、少し離れた広めの公園までは気が付かず、住んでから失敗したという例をよく聞くのでご用心を

この3段階は毎日の生活だけでなく、子どもの遊び場を考える時にも役に立ちます。毎日利用する公園、週末に家族でお弁当を持って遊びに行く場所、そして年に何度か楽しみにして行く場所。利用頻度が高いものほど近くに欲しいし、それ以外は多少遠くても可。そう考えて周辺を見ると我が家に◎か×かが見えてくるのではないかと思います。

 

ほぼ毎日利用する施設の動線が最優先、
5分以内に揃うのがベストだが……

さて、生活動線を考えなくてはいけないのは当然ですが、1で必要な施設です。基本的には徒歩10分圏以内、できれば5分圏以内に欲しいところですし、かつ、いくつかの施設を利用するとしたら、無理なく一度に回れるような配置になっていればうれしいところです。

 

たとえば、駅からの帰りに商店街で買い物をし、クリーニングをピックアップできれば一度に2つの作業が済みますが、商店街が駅の反対側にあるとするとちょっと回り道になってしまいます。あるいは子どもの送り迎えの方向と通勤路の関係や商店街との関係などなど。もちろん、すべての施設が動線上にある立地を選ぶのは至難。特に保育園の問題では自分の思う通りにならないことのほうが多いのが現実ですから、すべてにベストは難しいと思います。しかし、事前に地図を見る場合に、どこに何があり、どういうルートで回ると効率的かを考えて選ぶほうが後日の戸惑いは少なくて済むだろうと思います。

 

また、もうひとつ、生活動線の一部として考えたいのは職場の周辺と通勤ルート。子どもを預けたり、クリーニングを出したりは難しいにせよ、郵便物を出す、その日の食材を買う程度で大荷物にならないのであれば、通勤途上でもできます。住まい周辺にない施設が会社周辺にあれば何とかなるのであれば、すべてを住まい近くに求めずに済み、選択肢が広がるのではないかと思います。

 

隠れ家

毎日の生活動線からちょっと外れたところに隠れ家があると、短時間でも息抜きができるのだが

それから、実用性とは別に個人的な意見としては、こうした生活動線外のどこかに、カフェでも本屋さんでも何でもいいので一人になれる場所があると、ストレスを溜めずに済む気がします。やはり、働く主婦、母は大変。少しでも楽ができる住まいを立地からも選んでいただきたいものです。

 

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。