マレーシア/ペナン島

ジョージタウンの観光!ペナン島の世界遺産

マレーシアのクアラルンプールから飛行機で約1時間。東洋の真珠とよばれるペナン島の中心部にあるのが、ジョージタウンです。2008年、ユネスコの世界文化遺産に登録された街で、白亜のコロニアル様式など風情ある建築物に彩られています。今回はジョージタウンの歴史や見どころ、おすすめ観光スポットやホテル・お土産情報、アクセスなどを紹介します。

古川 音

執筆者:古川 音

マレーシアガイド

世界遺産、ペナンのジョージタウン


ブルーマンション

宿泊可能なチョン・ファッツィ・マンションは、ジョージタウンの象徴でもある

2008年、ユネスコの世界文化遺産に登録されたジョージタウン。イギリス統治時代から残る歴史的建築物、伝統的なショップハウスなど、まるでタイムスリップしたような街並み広がっています。ローカル屋台でのんびりとコピ(マレーシアのコーヒー)をすすっていると、この地に生きた古の人々の息づかいが聞こえてきそうです。

<目次>

ペナンへのアクセス

日本からの直行便はなく、クアラルンプールで国内線に乗り換えて約1時間。シンガポール、タイなどの近隣諸国、ランカウイ島などの地方都市からの便もあります。高速バスを利用する場合は、クアラルンプールから約5~7時間。またマレー鉄道でKLセントラル駅からバタワース駅まで約7時間、バタワースからフェリーを利用し、約20分でペナン島に渡ることも可能です。ペナン国際空港から繁華街のジョージタウンまではクーポン制のタクシーを利用します。

世界遺産、ジョージタウンの歴史

ペナン、ジョージタウン

大富豪ヤップ家のオフィスビル。白亜のコロニアル建築が美しい

200年前はジャングルだったこの土地。「ジョージタウン」という名前からも分かるように、18世紀後半、ペナンはイギリスによる海峡植民地のひとつでした。当時のイギリス東インド会社の総督フランシス・ライトが、自分の居住する地区を「ジョージタウン」と名付けたのが、この地名の由来です。

ヨーロッパとアジアを結ぶ貿易港として発展したペナン。イギリス支配から独立して60年が経ちましたが、ジョージタウンの街並みにはイギリス入植当時のコロニアル調の建物が数多く残っています。ヨーロッパ列強による支配の歴史、その影響でうまれたマレーシアの特徴である多民族、多文化。モスク、寺、教会が立ち並ぶジョージタウンは、波乱の時代を生き抜いた人々の歴史そのものなのです。

ジョージタウンの見どころ・おすすめ観光スポット10選

ジョージタウン

人力車で街を見学するのもいい。ただ、大音量の音楽付きで恥ずかしいことも

首都クアラルンプールに次ぐ第2の都市、ジョージタウン。人口約30万人で、英国コロニアル建築が多い海岸周辺エリアから、中国系文化が色濃く感じられる中心部まで、広域におよびます。

ジョージタウンを歩いていると、家々のカラフルな色、かわいい建築様式に心が躍ります。たとえばパステルグリーンやディープブルーに壁が塗られていて、窓枠や玄関の装飾がお洒落なこと! 無雑作に置かれた古びた自転車さえも、まるで映画のセットのように味があるのです。ペナンから日本に帰ると、街並みが地味に感じて寂しくてなりません。

また、2012年に開催されたジョージタウン・フェスティバルを機に、町のあちこちにユニークなストリートアートが出現。ショップハウスの外壁に描かれた絵やコミカルなワイヤーアートを見てまわるのも楽しいです。

それでは具体的に、ジョージタウンの見どころ10選を紹介しましょう。まずは多宗教、多文化が体験できる場所から。

1.カピタン・クリン・モスク
カピタン・クリン・モスク

ミナレット(尖塔)と礼拝堂の優美なたたずまいが美しいモスク。半袖や短パンで訪れた場合は、入り口でガウンを羽織り、女性の場合は頭にスカーフを巻いて見学しよう

マレーシアには町のいたるところにモスクがありますが、建築様式や規模はそれぞれ。ここは南インドからやってきたイスラム教徒によって築かれたもので、インドのムガール様式が施されています。ちなみに、名前のカピタンとはイギリス植民地時代に任命されたキャプテンのこと、クリンはインド系民族のことをさしています。

<DATA>
■Kapitan Keling Mosque(カピタン・クリン・モスク)
住所:Jalan Masjid Kapitan Keling,10200 Georgetowan, Penang, Malaysia
営業時間:11:30~13:00、14:00~18:00、金14:30~18:00
無休、見学無料

2.観音寺 

観音寺

日本では見たことのない巨大な線香がもくもくと煙をあげている。福建系と広東系、2つの中国系民族が共同で管理運営している。

1801年に建てられたペナン最古の中国寺院。ペナンは人口の半数以上を中国系民族が占め、仏教徒も多いため、地元の人たちでたえずにぎわっています。こじんまりした規模の寺ながらも、観音仏や屋根に繊細に施されたカラフルな彫刻、直径10センチ以上の巨大線香は一見の価値があります。

<DATA>
■Kuan Yiang Teng(観音寺)
住所:Lebuh Pitt, 10200 Georgetowan, Penang, Malaysia
営業時間:7:00~19:00
無休、見学無料

3.マハ・マリアマン寺院

1883年に建築されたヒンドゥー寺院。マレーシアで暮らすインド系民族の多くはヒンドゥー教を信仰し、彼らの祈り場。極彩色に彩られた入口の塔には、38の神々と動物などが描かれています。寺院内にある、金、銀、ダイヤなどの宝石でゴージャスに飾られたスブラマニアム神像にも注目を。

<DATA>
■Maha Mariamman Temple(マハ・アリアマン寺院)
住所:Lebuh Queen,10200 Georgetowan, Penang, Malaysia
営業時間:7:30~12:00、18:00~21:00
無休、見学無料

4.セント・ジョージ教会
1818年に建築された東南アジアでもっとも古いといわれている英国国教会。広い芝生のなかにある白亜造りの教会で、入口の天蓋にはジョージタウンの名づけ親であるフランシス・ライトの初上陸を記念した装飾があります。近くのコーンウォリス要塞と並び、ペナンの歴史を物語る英国建築のひとつです。

<DATA>
■St.George’s Church(セント・ジョージ教会)
住所:1 Lebuh Farquhar,10200 Georgetowan, Penang, Malaysia
営業時間:10:00~16:00
金土日休、入場無料

では次に、ペナンの特徴のひとつであるプラナカン文化(中国からの移民と現地の女性の婚姻によってうまれた文化)を体験してみましょう!

5.ペナン・プラナカン・マンション
ペナン・プラナカン・マンション

入口すぐに吹き抜けの中庭があり、これぞプラナカンスタイルの家の特徴。また、内部には1000点以上もの貴重なアンティークが展示されている。

19世紀末、ペナンの実業家によって建てられた豪邸をそのまま展示した博物館。中国の木彫りにイギリスのタイルなど、東洋と西洋がミックスしたプラナカン文化ならではの空間を見学することができます。レースに繊細な刺繍が施された民族衣装クバヤや螺鈿の椅子など調度品の数々も魅力。

<DATA>
■Piang Peranakan Mansion(ペナン・プラナカン・マンション)
住所:29 Church St.10200 Georgetowan, Penang, Malaysia
TEL:+60(04)264-2929
営業時間:9:00~17:00
無休、入場料大人RM21.20、6歳以下は無料

そのほかの見どころスポットはこちら!

6.チョンファッツィ・マンション
ペナンの大富豪チョンファッツィ氏が、一流の風水師や建築家に依頼して建てた家。外壁一面が美しいインディゴブルーで彩られ、通称「ブルーマンション」とよばれています。現在はホテルとして営業しているので、宿泊が可能。また、1日3回のガイド付きツアーに参加すれば、宿泊しなくても豪邸内を見学することができます。

<DATA>
■Cheong Fatt Tze Mansion(チョンファッツィ・マンション)
住所:14 Letih St,10200 Georgetowan, Penang, Malaysia
TEL:+60(04)262-0006
営業時間:ガイドツアー(11:00、13:30、15:00)
月休、ガイドツアー参加費RM17

7.クー・コンシー
福建出身の邸(クー)氏一族が先祖の霊をまつった霊廟。同時に、コミュニティーの中心をなす集会場でもあります。集会場といっても立派な建物で、屋根や外壁には精巧に作られた美しい彫刻が施されており、一般客の見学も可。ペナンには、このようなコンシーがいくつもあります。

<DATA>
■Khoo Kongsi(クー・コンシー)
住所:18,Cannon Sq.10200 Georgetowan, Penang, Malaysia
TEL:+60(04)261-4609
営業時間:9:00~17:00
無休、見学料金大人RM10、こども(12~5歳)RM1

8.インド人街

インド系雑貨店

インドの雑貨やスパイスが手頃な値段で入手できる

ジョージタウンは全体的に中国系の文化が多いのですが、クイーン通りなどにはインド系民族が暮らすエリアがあります。キッチュなインド雑貨やインドの民族衣装店がずらりと並び、まるでインドに瞬間移動したかのよう。様々な民族が、それぞれの文化を守りながら暮らしている姿を体感することができます。

9.ファイブ・フット・ウェイ
カキリマ

ショップハウスの玄関先は、一般の歩行者を直射日光や突然のスコールから守るファイブ・フット・ウェイがある

1階に店、2階に住居という構造のショップハウス。イギリス統治時代、中国系の商人が集まるエリアによく見られた建築様式で、ペナンにも数多く残っています。ショップハウスの玄関先には、ファイブ・フット・ウェイ(現地語でカキリマ)と呼ばれる屋根つき歩行者用の通路があり、ペナンの町並みを特徴になっています。

10.ストリートアート
ウォールアート

自転車に乗る子どもを描いた作品。自転車は本物で、3Dのように見える。自転車のサドルにのって撮影すれば、まるで絵のなかに入り込んだかのよう!

2012年からスタートしたストリートアートは、今やペナンを象徴する景色に。ブランコにのる兄妹、自転車をこぐ子どもなど、子どもをテーマにした絵が多く、どこかノスタルジックな気分になります。コケティッシュなワイヤーアートも合わせれば、アート作品は全部で66カ所。ツーリスト・インフォメーションでマップを配布しているので、宝探しのようにめぐってみましょう。また、これらのアートをモチーフにした手帳やTシャツなどのグッズも販売されています。

ペナンのグルメ

ペナンアッサムラクサ

ペナンの名物、アッサムラクサ。2011年、CNN発表のグルメンキングで堂々の7位

食いしん坊はペナンに行け!と誰が言ったか言わないか、ペナンは、マレーシアで有名なグルメ都市です。周囲を海に囲まれているので、新鮮なシーフードを使った名物が多数! 青魚の身がそのまま入ったスープ麺「アッサムラクサ」は、世界で認められた魅惑の味です。クアラルンプールなど南部の料理に比べると、比較的あっさりしていて、素材の味を重視した料理が多いので、日本人の味覚にも合います。インド系屋台のタンドリーチキンやイカカレーも絶品。

詳細記事はこちら>>ペナンのグルメ・屋台

ペナンのホテル

ペナン、ホテル

女性が泊まるのにおすすめの清潔でリーズナブルなホテルも多い

ホテルの種類は多く、旅の目的にあわせて選ぶことができます。たとえば、海岸沿いのリゾートホテルやコロニアル調の歴史あるホテルは、宿泊重視の優雅な旅に。リーズナブルなデザイナーズホテルは、気軽な女子旅に。バックパッカーが集まる安宿は、旅慣れた人に。欧米を含む世界各国から旅行客が訪れるリゾート島なので、ホテルマンのサービスも質の高いです。

詳細記事はこちら>>ペナンのホテル

ペナンのお土産

ペナン、お菓子

豆沙餅、通称ペナンのビスケット。Him Heangのブランドが有名

ペナンで人気のおみやげといえば、豆沙餅(タオサーピア)です。餡が入ったパイ生地の饅頭で、マレーシア人には大好評なのですが、日本人には好き嫌いが分かれるところ……。なぜなら餡に玉ねぎを使っているので、匂いがけっこうすごいんです。さくさくの生地に深みのある甘い餡は、大人の味といえるのかも。

また、その昔、中国から渡ってきた移民の子孫が育んだプラナカン文化。そのプラナカンの女性が身に着けたニョニャ・クバヤはペナンの名産品のひとつ。糸や生地の質にまでこだわった伝統工芸品で、眩いほどの美しい刺繍に魅了されます。現在もプラナカンの人々は、結婚式や茶会などでお洒落着として身に着けています。

ペナンでおすすめのニョニャ・クバヤのお店はこちら>>>キムファッション(日本語サイト)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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