「サンタを信じる綺麗な心」ですか?
あなたはいつまでサンタクロースを信じていましたか?
読者諸姉諸兄は、何歳までサンタの存在を信じておられただろうか。また、お子さんはまだサンタの存在を疑わずに、いまもワクワクドキドキとクリスマスまでの日を指折り数えておられるだろうか。
「うちの子には、いつまでもサンタを信じる綺麗な心を持っていて欲しい」と、中学生になる娘さんの枕元にそっとプレゼントを置くお母さんが切々と情感たっぷりに書いた文章に触れた時、私の非常に率直な感想は「えっ(がーんがーんがーん)」
であった。
まずは、「いつまでもサンタを信じていて欲しい」に共感しそこねた。「いつまでもって……いつ?」
次に、子どもが中学生になる12年以上を子育てしてきても、まだそういう素敵な希望をお母さんが持っていられることに、また共感しそこねた。「サンタを信じるのは綺麗な心なのか。人間観察の視座が私とは全く違うのであろうな」。
汚れっちまったワタシの哀しみ
で、逆に、自分の子どもに「サンタを信じていて欲しい」とそれほど思ってない自分、また、既に幼稚園年少のお弁当の時間に「えー知らないの、サンタってのはお父さんやお母さんが子どものためにやってるんだよ」と発言して場を沈黙の海に沈めた自分自身の幼少時を思い出し、「サンタを信じられないとか、子どもにサンタを永遠に信じさせていたいなどとつゆほども思わないなんて、私は心の薄汚れた、夢を失い貧しく救いのない人間なのだろうか、そうかそうなのか」
と、一瞬悩んだ。
確かに、私も生粋の仏教徒ながら、クリスマスはしっかり商業主義に乗って、子どもにプレゼントを用意する。実はサンタからのメッセージなんかも偽装する。実はクリスマスには鶏や七面鳥なども焼いちゃう。実は欧州に来てからは教会ミサにも参加してお祈りとかしちゃう(子どもの学校行事だから)。