要因とは
子どもたちにこのような姿が現れたのは、外国語活動の授業で覚えたばかりのたどたどしい「英語」を使って、多くの人とコミュニケーションしていることが一番大きな要因だと思われます。人に話しかけるときには何か理由がいるものですが、外国語活動の中では、ゲーム感覚で無理にでも(英語を覚えて使うために)人に話しかけて会話をするコミュニケーションができます。これを繰り返すことで、人に対して声をかける、話す必要がなくても、軽いあいさつ程度はできるようになります。
文字認識は大事。
さらに、使う英語はどの子にとっても初めて聞くようなもので、皆が一緒にたった今覚えて使うのですから、間違えて当たり前であり、間違えて使っているのか正しく使っているのかすらわからないまま、とにかく使う、話す、という行動をします。ですから、間違えたら恥ずかしいという感情もなく、一生けんめい人に話しかけてゲーム活動に参加しています。間違えたことがおもしろいと感じる子どももいるようで、同じ間違いをした子ども同士で笑いあって仲良くなっているようです。
小学校の外国語活動では笑顔が絶えません。子どもたちのこの笑顔、私はとても良いことだと思っています。算数のように正解があるわけでもないので、正しくなければいけない、というプレッシャーもなく、言葉を使って人と話して楽しい感じることはとても良い教育だと思います。
次に二つ目の観点です。英語力についてです。
英語力そのものはどのように育成されていく?
小学校における英語教育は、もちろん英語力育成も狙っていますが、あくまでも副産物的に身についていくことに期待がされています。つまり、一石二鳥を狙っているとも言えます。くどいようですが、期待だけしてもいい、ってことです。今の指導の様子では4技能の英語力育成は難しいのです。
では、公立小学校で身に付く英語は何でしょう?もちろん、小学生で英語ペラペラキッズを作ることではありません。英検2級に受からせることでしょうか?これも違います。では、5,000単語を覚えさせることでしょうか?ネイティブの子どもは5,000単語を5歳児ですでに習得していますが、日本では同じような英語環境を作り出せませんから、これも無理です。
では小学校の英語教育では何をどうすればいいのでしょうか?