ひらがなを覚えたら
文字が読めても無理に本を読ませない
例えば「文字はもう読めるのだけれども本を自分で読もうとはしません。あまり興味がないようです。どうやったら興味がもたせられますか」?という質問があります。
それについては「読ませようとするのはやめてください。家の中の家具などに平仮名で呼び名を貼っておいて、興味が出るのを待つというようなやり方なら良いですけど」とお話ししています。
文字と言葉が脳の中でつながっていない幼児にとって、ひらがなは単なる記号でしかありません。記号のつながりが言葉として理解されるまでは、読ませても意味がないのです。
ですから文字を教える前にお願いしていることがあります。それは書き言葉を耳から入れることです。
言葉を聞かせて慣らす
人類の言語の起源は研究者でも異なる意見があり、いつだったかは明らかではありません。けれども100万年単位の昔であったことは確かなようです。言葉を話すために適した体の変化もありますし、言語習得が先天的能力であるというのも定説となっています。したがって話し言葉は勉強しなくても身につけることができます。つまりDNAに刻まれているというわけです。一方で、人類の文字の発明は数千年前でした。その文字が誰でも学べるようになったのはごく最近のことです。ですから書き言葉は後天的に学習しないといけません。DNAに書き言葉を学習する仕組みは備わる時間はありませんでした。
さらに小学校から始まる勉強というものは、この書き言葉でなされるものです。ですから書き言葉を身につけるということが勉強の基礎になります。
でもそれは、いきなり文字を教えるということではないのです。聞いたことのない言葉は、意味もわかりませんし使いこなせません。
だからまずは、耳からたくさん聞かせることから始めます。そのためには毎日絵本を読み聞かせるのが効果的です。幼児語や赤ちゃん言葉の本から入っても構いません。少しずつ言葉の量を増やしていけばよいのです。
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