「クルマは借りる」が新しい減額の仕組み
「クルマの維持費は教育費と同じ」と言われるほど、大きな家計負担となります。自動車関連の支出をどう削る?
そこで、週末しか使わないといった程度なら、思い切ってクルマを手放すのもひとつの方法。クルマが必要になったら、たとえば最近、大都市圏で急激な広がりを見せるカーシェアリングを利用してもいいでしょう。短時間の利用に向き、1日2時間、月4回の利用で月のコストはガソリン代込みで7000~1万円程度。自家用車と比較するとコスト安は歴然で、利用者は全国で29万人を超えています。ただし、長時間利用は割高になるといったデメリットもあり、目的や状況に応じてレンタカー(下記表参照)やタクシーなどと併用するといいでしょう。
これからの家計は通信コストの削減がカギ
ここ数年、家計圧迫の主犯格になりつつあるのが「通信費」。携帯・スマホ料金(複数台)にプロバイダ料金、ケーブルテレビなどで月2万円近いという家庭もめずらしくありません。「しかし、本当に必要なもの以外は切り捨てることで、コストカットも可能です。たとえば、スマホが本当に必要かどうか。携帯で済ませば、月2000~3000円は抑えることができるはず」(ファイナンシャル・プランナー/八ツ井慶子さん)
しかし、どうしてもスマホは手放せないという人も。であれば、逆にスマホを最大限に生かす方法もあります。そのひとつがデザリング機能。スマホを介してインターネットにつなげられるため、家でパソコンを利用する人はプロバイダ契約の解除も可能。
「また、「LINE」「comm」「カカオトーク」など、自分に合う無料通話・無料メールのアプリがあれば、それを利用することで通信費コストは抑えられます」
ともあれ、通信費は料金プランや新サービスなども含め、絶えず見直すことが、これからの家計のやりくりポイントと言えるでしょう。
住宅ローンは繰上返済で将来の利息を浮かそう
毎月、口座からドっと引き落とされる住宅ローン。実際の金額はもちろん、重いローンを抱えることの精神的苦痛も考えれば、実に厄介な支出の代表格とも言えます。この重荷からいち早く解放される方法は、やはり繰上返済が王道でしょう。繰上返済には期間短縮型と返済額軽減型がありますが、一般的なのは前者。3000万円を30年返済、金利3%で借りた場合、2年後に100万円繰上返済すれば、浮くことになる支払利息は約127万円。また、同じ100万円なら、半年ごとに25万円ずつ返済した方がさらに利息の軽減効果は高まります(下記表参照)。最近は少額でも手数料無料で繰上返済ができる金融機関も増えていますので、こまめに返す方がより効果的です。
八ツ井慶子さん
ファイナンシャル・プランナー。大学卒業後大手信用金庫に入庫。本当にお客様にとっていいものを勧められる立場になりたいとの思いから、個人相談が中心のファイナンシャル・プランナーとして独立。近著に『ムダづかい女子が幸せになる38のルール』(かんき出版)と『サラリーマン家庭は"増税破産"する! 』(角川oneテーマ21)がある。テレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。All Aboutマネーのガイドを務める
次は家計簿・アプリ・袋分けで節約するアイデアです
取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ パネルデザイン/引間良基