教育資金づくりの決め手、児童手当は必ず貯蓄

子どものいる世帯にとって、児童手当は安定した資金源。だからこそ、無駄には使いたくないものです。しかし、必ずしもそうとは言えないのが現状。ファイナンシャル・プランナーの八ツ井慶子さんもこう指摘します。

「児童手当が生活費に消えている家庭が少なくありません。これはとっても危険。結局、毎回、家計がその支給をあてにしてしまうと、教育費には回らない。これは親の怠慢と言われても仕方がありません」(ファイナンシャル・プランナー/八ツ井慶子さん)

児童手当を教育資金に充てるには、まず確実に貯蓄することがポイント。ただし、その支給は年3回(6月、10月、翌年2月)、1回に4カ月分をまとめてという変則です(2014年度例)。そこで、支給される月に合わせて自動積立定期預金の増額月を設定すれば、余さず貯めることが可能。たとえば、小学生と中学生の子どもがいる世帯が、毎月1万円の積立に児童手当を全額上乗せして積み立てれば(図10参照)、年間で24万円増額、計36万円貯蓄できることになります。児童手当でしっかり教育資金を準備しましょう。

教育資金は「児童手当+月1万円」をベースに

教育資金は事前の準備が必要ですが、ただやみくもに貯めるのではなく、実際にかかる金額を把握しておくこと大切です。

教育費はその進路で大きく額が異なります。当然ながら私立は割高。公立と比較して、幼稚園は約2倍、大学で1.5~2倍(医歯系を除く)、小学校にいたっては5倍近い開きがあります(表9、10参照)。高校までは公立、大学は私立文系という一般的な進路の場合、学習塾等の費用も考慮するとトータルで1000万円がひとつの目安。ただし、その進路であれば、高校までは教育費は家計から捻出し、大学費用だけを事前に準備する考えでいいでしょう。

教育費

教育費



教育費の違い

教育費の違い


「私立文系で約400万円。児童手当で半分の約200万円を貯めることができます。残り200万円は、お子さんが生まれた時点で月1万円ずつ積み立てれば、元本だけで18歳までに200万円を超えます。教育費は発生する時期が決まっていますから、計画も立てやすい。ぜひ早めに準備を開始してください」(ファイナンシャル・プランナー/八ツ井慶子さん)

リスク商品は慎重に、学資保険は貯蓄性のあるものを

教育資金づくりの基本は元本保証商品です。必要な時期や金額が明確ですから、リスクがともなう運用商品はリスクの性格をきちんと把握した上で、選ぶようにしましょう。

逆に言えば、安全確実であれば、定期預金でも財形貯蓄でも構いません。ただし、その場合、専用口座に貯めることがポイント。他の資金としっかり区別し、教育費で使う以外は手をつけないことが重要です。

また、学資保険は必要な時期に確実に予定した資金が貯まるという利点に加え、保険商品のため、解約しにくいというのもメリット。ただし、元本割れ(受け取る額より支払った保険料の方が多い)をしない、貯蓄性のある商品を選ぶこと。さらに、私立高校に進学する可能性がある場合、15歳時に満期金の一部を受け取れる保障内容にしておくのもいいでしょう。

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教えてくれたのは……
八ツ井慶子さん

ファイナンシャル・プランナー。大学卒業後大手信用金庫に入庫。本当にお客様にとっていいものを勧められる立場になりたいとの思いから、個人相談が中心のファイナンシャル・プランナーとして独立。近著に『ムダづかい女子が幸せになる38のルール』(かんき出版)と『サラリーマン家庭は"増税破産"する! 』(角川oneテーマ21)がある。テレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。All Aboutマネーのガイドを務める


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取材・文/清水京武  イラスト/モリナガ・ヨウ パネルデザイン/引間良基


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