ウディ・アレンの貴重なドキュメンタリー!
映画業界人みんなに愛されているウディ・アレン。アカデミー賞など、賞レースに必ず乗ってくる良作を発表しながらも、決して授賞式には参加しないことでも有名なアレンですが、業界人はみんな彼のことが大好き。特に役者はウディ・アレンの映画に出演することが、ひとつのステイタスになっているようです。
そんなウディ・アレンの人となりを知ることができるドキュメンタリーと、ウディ・アレンの監督作が続けて公開されます。まずは、すでに公開中のドキュメンタリー『映画と恋とウディ・アレン』からご紹介しましょう!
『映画と恋とウディ・アレン』は、初めてカメラがウディ・アレンの製作現場に入った貴重な作品です。そしてこの映画を通して、彼は、自作についてどう思っているのか、なぜ映画を撮るのかを語り、また彼の映画に出演した役者や関係者や家族が、映画人ウディ・アレンについて詳細に語っています。
映画界を驚かせたウディと養女の許されない恋
プライベートにも言及した『映画と恋とウディ・アレン』は、アレンと女優ミア・ファローとの別離問題にも触れています。養女と恋愛関係になったことで、ミアと別れたアレン。そのことが世間にまだ知らされていないとき、二人は『夫たち、妻たち』という映画を撮影中でした。私生活ではボロボロだったけれど、立派に演じきったミアの女優根性は凄いものですが、その後、ミアから猛攻撃を受けて悪人扱いされたアレン。
スキャンダルにまみれ、普通ならもう業界で仕事できないくらいのダメージになりますが、それでも彼はいつも通りに映画を撮影し、スタッフは彼を支え、役者たちはやはりアレンの作品に出演するのです。
傷つけられても映画を撮り続けるのはなぜか。その答えはアレンではなく友人のマーティン・スコセッシ監督が絶妙なコメントを残しています。「アレンは毎年、我々に報告を入れてくれる。それは人生の報告なんだ。その作品は、気に入ったり気に入らなかったりするけど、そんなことはどうでもいいんだ」と。
アレンにとって生きる証が映画なのですね。あるプロデューサーに「2年に1作にしないか」と言われても、彼が首を振った意味もそこにあるのでしょう。