七五三はママも素敵に!
七五三といえば、子供のお祝い。でも、少し目線を変えれば実は30代~40代の女性として着物を楽しむための絶好の機会でもあるのです。
美しいキモノ編集長 棚町敦子氏によれば「実はこうした行事をきっかけに、着物をもっと着たい!と思うようになる人も少なくない」との事。子供が主役の七五三も例外ではありません。ただの行事と思うのではなく、“着物を着る機会”として自分も楽しむ、という意識を持って、せっか くのお祝いを素敵に装って欲しいもの。
ではまず、何を着ればいいのかということについて。あくまでもハレの日に着る着物は、格で言えば略礼装以上ということになります(着物の種類と格参照)。 あくまでもお祝い事なので、カジュアルなものよりも、ある程度格のあるものを選んで。とはいえ、色留め袖では仰々しすぎるということで、
■訪問着
■付け下げ
■色無地(紋付)、江戸小紋(紋付)
あたりがおススメです。帯はやはり、袋帯以上でお祝いらしく二重太鼓を結んで。
ここがレスキューポイント!
子供がまだ小さいということもあって、なるべく短時間で着付けを終わらせたいもの。自分で着るにしても、着せてもらうにしても、すばやく着付けを済ますためには、あらかじめ必要なものを揃えて用意しておくことが必要。子供の用意に気を取られ、自分の用意がいい加減になっていると、いざ着物を着るという時にあれがないこれがないということにもなりかねません。特に小物などはリストなどを見てしっかりと用意しておくと、慌てずに済みます。
着るモノがない!と迷ったら上級テク「格の微調整」で乗り切る!
訪問着にしても、色無地にしても、着物の格については常にとてもわかりにくく迷うところ。しかも、略礼装となると幅があってどれを自分が持っていて、なにをどう組み合わせればいいのかがさっぱり分からないということもありますよね。しかも周りの様子を見て、あまり仰々しすぎるのもちょっとという場合もあります。
そんな時のために、「格の微調整」という技を覚えておくと便利。着物や小物の格について、大抵の分類は大雑把に分けてあって、正直なところ細かいところの格というのは、基準があいまいで調べれば調べるほど混乱することも。でも、逆にその曖昧さを利用してしまうというのが「格の微調整」。少し上級テクではありますが、これができるようになると手持ちのもので幅広いコーディネートが可能になります。
例えば、色無地(紋がないもの)や江戸小紋というのは、コーディネートの仕方によって、とても幅広く活用できるもの。行事の時だけに着るだけではもったいないという事で紋を付けないものを購入すれば、名古屋帯を合わせて普段の外出着として着ることもできます。
これを、今回のように七五三に着よう!ということで考えてみると紋がついてないままでは、格が少し足りない感じになってしまいます。そこで、貼り付け紋(紋について参照)を付け、袋帯を合わせ、帯締め帯揚げも金糸銀糸の入った格の高いもの、また草履、バッグなども格の高いものを合わせることによって、全体の格が上がりお祝いの場にふさわしい装いになるのです。これがコーディネートによる「格の微調整」です。
合わせる帯、小物によって略礼装からカジュアルまで幅広く応用できる色無地
これができるようになると、他の着物でも少しずつ微調整をして、その場により相応しい装いの完成度が高まります。これができればコーディネートも自由自在!1人あたりの着物所有枚数が少ない今の時代実は一番必要なテクでもあるのではないでしょうか。
【CONTENTS】
10/26 up : 七五三レスキュー~子供編
11/ 2 up : 七五三レスキュー~ママの装い