オーロラの現れ方
突然、色が付いたオーロラが現れるということはありません。最初は、白い雲のような筋が見え、この段階では初めてオーロラを見る人はオーロラと気が付かない可能性があります。その後、その白い筋が大きくなり、どんどん範囲が広がり、ゆらゆらと揺れ始めます。活動が活発になってくると、その白い帯の範囲が横に大きく広がるだけではなく下にも伸びてきます。さらに、色も白から他の色に変わります。オーロラの色は、見る場所やタイミングによって、緑や赤、ピンクや青など様々あります。
オーロラを見るために準備するもの
まずは、防寒具。冬のフェアバンクスは寒く、マイナス30度を下回ることもあります。オーロラを外で待つためには、ダウンジャケット、帽子、手袋、耳あてなどが必要です。マイナス10度以下になると外に出ている顔の部分が痛いので、目以外は全部覆うことができるように防寒具を準備しておきましょう。フェアバンクスの大型スーパーやショッピングモールには、日本では売っていないような強力な防寒具がリーズナブルな値段で揃うので、事前に日本で準備していくより現地調達がベター。オーロラの見えるロッジに滞在したりオーロラツアーなどに申し込むと、アラスカの環境に耐えられる防寒具を無料で貸してくれるところが多いです。
他には、ホッカイロも必需品です。自分の体を温めるのにも利用しますが、カメラを温めるのにも使います。デジカメは寒くなると急激にバッテリーを消耗しますし、動かなくなることがあるからです。
オーロラを写真に撮るには?
自然写真を専門に撮るフォトアーティストのTak S. Itomiに、写真の撮り方を聞いてみました。オーロラの撮影は、基本的に星空の撮影と同じ方法で行います。オーロラの撮影に絶対に必要なものは二つ。三脚とマニュアルフォーカスができシャッタースピードを調整できるカメラです。
オーロラは夜に撮影しますので、手ブレを避けるために必ず三脚が必要です。三脚がない場合は、地面に置いたり、壁や木にくっつけたり、とにかくカメラを固定する必要があります。この際、シャッターボタンを押す指の力でカメラが微妙にズレてしまうので、それを避けるためにタイマー撮影をするのも効果的です。
二つ目のカメラ。これはとても重要です。マニュアルフォーカスができなければ、オーロラを撮ることはできません。さらに、シャッタースピードの調節ができることも重要です。星空もオーロラも目で見ることはできますが、カメラにとっては非常に弱い暗い光です。なので、カメラのシャッターを長時間(20秒や30秒ほど)開けることによって、初めてその弱い光を収めることができるのです。
何秒開ける必要があるかは、その時のオーロラの光の強さによって変わるので、シャッタースピードを自由に変更できるカメラが必要になるわけです。デジタル一眼レフまたはミラーレス一眼ならほとんどのものが、マニュアルフォーカスとシャッタースピードの調整ができます。
よく聞かれるのが、「夜景モードでは撮影できないのか?」ということです。夜景の明るさと星空の明るさは全然違うので、夜景モードでも星空は撮影することができません。
オーロラの撮影はきちんとした機材があれば全く難しくはありません。せっかくアラスカまで行くので、できればきちんとしたカメラを持っていくときっと素晴らしいオーロラ写真が撮れますよ!!
<オーロラを見るのに便利なサイト>
■Aurora Forecast(オーロラフォーキャスト)
アラスカ大学フェアバンクス校が発表しているオーロラ予報のサイト。見える範囲や見える確率などを毎日教えてくれます。予報は、数日後まで。スマートフォンのアプリもあります。