バンコクの警察が乗車拒否タクシー規制強化
観光客の間では「不名誉な名物」として知られるようになったタイのタクシーの乗車拒否トラブルですが、やっとバンコク警察が乗車拒否タクシー規制を強化することとなりました。その規制内容はかなり大胆なもので
乗車拒否されて不快な思いをした乗客はタクシーの登録番号を警察に通報すると、運転手が逮捕され罰金刑に処される
というもの。今まではタクシー運転手への苦情は運輸局に通報することになっていましたが、これからは1197(警察ホットライン)もしくは交通警察のサイトへ 直接通報することが可能に。ちなみに通報された違反運転手は、警告書を発行することなしに即効逮捕されることになるのだそうです(2012年9月1日から規制開始)。
タイはよく○○したら罰金、なんていう規則ができても事実上放置状態が続くことも多いので、この規制がどこまで浸透するかは正直今のところ何とも言えません。しかし、これまで観光立国であるにも関わらずトラブルの多さが目立っていたタクシーが野放し状態だったので、まず規制の第一歩として良い方向に進んでいることは確かと言えるでしょう。
タクシー運転手だって苦労が多いのです
これまでタクシートラブルばかりを紹介してきましたが、タイのタクシー運転手たちの多くは悪徳でも何でもなくごくごく普通の人。地方出身の人も多く、素朴で親しみやすい運転手とは乗車中ひとしきり彼らの故郷の話などで盛り上がることも。タイと日本の携帯電話(2台)を、帰国直前に乗ったタクシーの中に忘れたことがあるのですが、わざわざ運転手が空港まで届けてくれたこともありました。彼に御礼を言って謝礼金を渡そうとしたところ、「いや、それは受け取れない。タイのタクシー運転手のイメージアップのために僕はがんばるよ!」と笑顔で言って去っていきました。携帯電話が高額で売買されるタイで、このような経験はガイドにとってとても嬉しいものでした。また、観光客、在タイ外国人の多いタイでは乗ってくる客の多くがタイ語のできない外国人。更に日本人のように英語も苦手という外国人も多いようで、意思疎通にはかなり苦労をしているという話を運転手からよく聞きます。道を少し間違えただけで欧米人からは激怒され、某アジア系の客からは支払い拒否をされる……など苦労も多いのだそう。
このように、確かに日本よりトラブルは多いものの、一概にタイのタクシー=トラブルメーカーというわけではありません。地方から出てきて自身も英語が不自由な中、一生懸命外国人観光客とコミュニケーションを取ろうがんばっている運転手がほとんど。トラブルを避けるための対策を取ることも大切ですが、ハナから喧嘩ごしに交渉するのではなく(結構、喧嘩ごしの観光客も多い)、ショッピングの値切り交渉のように運転手とのコミュニケーションだと思い余裕をもって対応してみませんか?