冷やかし見学はNG! 国立病院にある「遺体博物館」

ケースに入れられた凶悪犯罪者のミイラ。訪れるタイ人は驚く様子もなく眺めている
ケースに入れられた凶悪犯罪者のミイラ。訪れるタイ人は驚く様子もなく眺めている
バンコクに「遺体博物館」というものがあるのをご存知だろうか? それは市内を流れるチャオプラヤー川の対岸にある、由緒正しい国立病院シリラート病院の一角にある。本来は病気や事故で亡くなり、法医学鑑定された遺体を医学的資料として保存、展示するための博物館。しかし、怖いもの見たさで訪れているタイ人の学生も結構いる。日本の有名ガイドブックにも紹介されていることもあり、昔から日本人旅行者もよく訪れているとのこと。最近では韓国人旅行者も増えてきているとか。どこの国でも怖いもの見たさという気持ちは同じなのだろう。

博物館に入るとすぐに、2004年に起きたインド洋スマトラ島沖大地震の被害写真が展示されている。プーケット島やカオラック(ビーチ)の、テレビや雑誌では悲惨すぎて公表されることのなかったものだ。もちろん、タイの医療チームやボランティアが、どのような救援活動を行ったのかを伝えるのが目的だが、かなり目を覆いたくなるような写真ばかり。現実の姿を見せることで、津波など災害時に対する危機意識を促しているだろう。

次に目に入ってきたのは、通路の真ん中に並べられた3体のミイラ。今までミイラがあるとは耳にしていたが、実際に見ると色も黒く変色し薬品で保存されているため、リアリティを感じる恐ろしさはあまり感じなかった。一緒に来ていた友人は見るに耐えられず、目を背けていた。個人差があるので、グロテスクなものが苦手な人は素通りしたほうがいいかもしれない。

淡々と鑑賞する現地人

ミイラの奥の棚には、さまざまな遺体やケガを負った部位のホルマリン漬けが展示されている。そのほとんどには写真が貼られていて、横にはどのような状況の事故や事件だったのが記されている。やはり胸が痛むのか、瓶の前にはお菓子や花、おもちゃなどが供えられていたのが印象的だった。

しかし、全体的な雰囲気としては重々しい雰囲気もなく、タイ人学生たちは淡々と眺めていた。タイでは新聞で事故や殺人の記事には、驚いてしまうくらい生々しい写真が掲載されていることが多い(最近でははっきり見えないように多少加工はしているが)。そのような環境で暮らしている彼らにとっては、日本人ほど衝撃的なものではないのだろう。決して面白半分や冷やかしで行くところではないが、そのような感覚が背景にあるタイだからこそ存在している博物館であるのは確かだ。

<DATA>
Siriraj Medical Museum
住所:2 Prannok Rd. Bangkoknoi Bangkok 10700
TEL:0-2419-7000
開館時間:9:00~16:00
休館日:日曜 年末年始

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