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住宅の変遷1 原始時代の住居(2ページ目)

今回から始まるシリーズ「住宅の変遷」では、住宅の起源から現代までの各種建築様式の違いなどを検討し、それぞれの特徴を紹介していきます。

執筆者:平野 秀昭

この竪穴式住居の他に、箱型住居というものがあります。


これは、埴輪としてよく出土される形式で、現在の住宅に近い形のものです。
つまり、長方形の箱の上部に、三角の屋根をつけた形のものです。

この箱型住居は出現当時は、住居というよりも、倉庫や礼拝所のような役割をしたと考えられます。
その後、稲作や畜産の技術が進み、富の蓄積が起こると、豊かな人々の住居としても使われるようになったようです

「あの人は大きな家に住んでいるから、金持ちだ」なんて言うように、現在でも所有する家により貧富を伺うのと同じく、住居が作られた初期から貧富の差による、住宅の違いがあったのは、大変興味深い事ですね。

この時代の家から、家というものの原点を見ることができます。
大きな役割としては、厳しい自然環境から身を守るためと、外敵から身を守るため。
そして、食物や耕作・畜産の道具などを保存・保管する役割もあったと思われます。

阪神大震災の例を待つまでもなく、家が凶器となって人々の生命を奪った例は枚挙にいとまがありません。
現代の住宅でも、身の危険を守るもの、生活道具を収納・利用するものという事を、何よりも優先して考えていきたいですね。
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