■どうしよう・・・買ったばかりなのにトラブル発生!
家を買おうと売物件を内覧し、決めたとしても、実際に住んでみたら水漏れはするわ、給湯器は故障していて使えないわ、あげくの果てに柱がシロアリにやられていて、「いつ崩れてもおかしくない・・・」なんて状況になると、笑うに笑えません。
いくら中古物件だからといって、これでは住むことさえままなりませんが、内覧時に、こういった不具合を判別するのはとても難しいことです。
そこで家を売買する場合、契約書の中に売主の瑕疵担保責任の条項が通常記載されます。これは、物件に隠れた瑕疵、つまり売主より聞いていなかった雨漏れや白蟻の被害、主要な構造部の腐食などによる建物の傾きや、設備の故障などがあった場合、引渡し後定めた期間のみ売主が保証するという条項です。
この瑕疵担保保証の期間は、売主が宅建業者なら2年以上となっていますが、売主が個人の場合は半年以内とされるケースが取引の6割以上となっているようです。
売主の側から言えば、売ってしまって引渡しも終わったのに、1年以上経ってから「雨漏りがするから治してくれ」なんて言われても、「下手をすると100万円以上の補修費がかかるかもしれない保証を、そんな永い期間できない、せいぜい数ヶ月が限度だし、引渡し後に起きたことは買主が負担して欲しい」というのが本音でしょうし、買主の側から言うと、「いくら中古物件が安いとはいえ、買って数ヶ月で傾いてきたら、怖くて住んでいられないし、補修費用を捻出していたら、結局高い買物になってしまいそう、そんなリスクがあるのなら、少々高くても新築にしよう」と思ってしまうでしょう。
そういうことで、売主の瑕疵担保責任は半年以内の一定期間とする場合が多くなっているようです。
最近では、不動産価格の下落に伴い、数百万円程度の価格の家の売買もありますので、「そんな安い物件に瑕疵担保責任を負わされるのなら、もう売らない方がまし」と思う売主も出てくることでしょう。
これでは、売主も買主も中古物件の取引を躊躇してしまいますし、取引が低迷すると中古物件の価格はさらに下落してしまいます。
そうなると買い替えもしにくくなり、新築物件やさらにグレードの高い家を買うことが難しくなるため、全体の不動産取引も阻害されてしまいます。
そこで登場したのが、「既存住宅保証制度」です。国から基金の補助を受けた財団法人住宅保証機構により、既存住宅保証制度が創設されました。
それではこの「既存住宅保証制度」とはどんな制度なのでしょう?