セックスレスは夫側から? 妻側から?
「旦那としたくない」という妻が原因で始まるセックスレスも……
しかしセックスレスという問題は、男性と女性、2つの性が向かい合って生まれる問題です。男性側の意見を聞いたり、調査をしてみると、「子供が産まれた後、恐くてできなくなった」「倦怠期でその気にならない」「妻とはもう家族だから無理」という“夫がいまひとつ”系のセックスレス夫婦は多数存在する一方で、「妻に触ると怒られる」「朝早いからいやだと言われる」「育児で疲れていると言ってすぐ寝てしまう」の“妻がいまひとつ”系の方もいるのです。
長年、セックスレス問題に取り組んでみて、拒否するほうが夫側か妻側かはフィフティ、半分引き分けという見解にたどり着きました。
女性の体も性欲も変化するもの
女性の体も性欲も、年齢とともに変化するもの。個人差も大きいのです
女性の体は年齢とともに変化します。月経と付き合う分、男性より変化が激しいのではないでしょうか。そして夫や恋人への気持ちと性欲もうねるように変化してきます。それは個人差が激しいため「女ってこういうもんだ」と紋切り型の断定は不可能です。
ライフスタイルやお付き合いするお友達、過去のセックス遍歴、子供の頃の家庭環境、性に対する思春期の関わり方、子供のあるなしなどでセックス感に大きく差が出てくるのです。そうです。「女性の性欲は摩訶不思議」なものなのです。
妻たちの座談会で出てきた「旦那とはセックスしたくない」
「旦那とは、したくない」と毅然と言い切る妻達
特に夫婦仲に悩んでいるわけではない一般の妻達です。夫とのネガティブな思いを吐露してもらう趣旨で意見を引き出していくと、出てくる出てくる、冷淡な言葉の数々……。「一緒に買い物したくない」から「一緒の部屋にいたくない」。はたまた「夫の精子を飲みたくない」「夫にお尻を見られたくない」まで激しい言葉が飛び出しました。まさにリビングのソファからベッドまでの濃密な夫との営みを拒否する妻達。
「夫とは、したくない」と毅然と言い切る妻達。司会をしている私も驚く意見を多数聞くことができました。妻達には知らず知らずのうちに「夫とは、したくない」ことがうす埃のように心の中に積もってきているようです。その埃を時々一緒に拭き取ってきれいにしてあげることができるかが夫婦円満の重要なカギになります。
妻の「心の埃」を払う方法は千差万別
お互いに、相手の本音を読み取ろうと歩み寄ってみることが、夫婦円満につながります
「たまに花束買ってくれば大丈夫」「ケーキ買ってくれば大丈夫」「生活費を多めに渡せば大丈夫」「温泉に連れてゆけば大丈夫」「家事を手伝えば大丈夫」「セックスしておけば大丈夫」など、「俺様的大丈夫思考」は捨てて、妻に向き合ってください。
もちろん、妻がモンスターワイフだから、こちらこそしたくないことはあるさ、とおっしゃる夫の意見も尊重します。そこは大人の男と女。「にわとりと卵」論で、まずどちらかが先に相手の本音を読み取る作業をしようと歩み寄ることが「お互い仲良くなりたい夫婦」を生むと考えられます。
したくないという気持ちはあるものの、愛情で結ばれた夫婦です。したくないから即離婚というのでは結婚の醍醐味も何もあったものではありません。一昔前なら「結婚生活は忍耐」という言葉を使って美しいニッポン魂を強調していましたが、今の時代は変わって来ています。忍耐だけではストレスがたまり、他で小さな爆発を起こしてしまう世代に交代したように感じます。
セックスは、夫婦が結婚生活のなかでお互いを深く理解しあい、愛と絆を深め合うためのコミュニケーション手段であると考え、大切にしましょう。私の著書『夫とは、したくない。』でも詳しく書きました。妻のドキっとするような本音を知ることができます。
男性側は、「夫とは、したくない」と思われているものと思って妻と接する。また、「妻とは、したくない」と思うなら、何をしたくないか、なぜしたくないか原点に立ち戻る。女性側は、「夫と一緒にいろいろしたい」と胸躍るような関係に今一度なれるよう努める。もし「夫としたい!」と胸躍らなければ、夫婦仲良し度は赤点滅信号です。要注意案件としましょう。
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