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父子家庭も遺族基礎年金の対象

かつて遺族基礎年金の支給対象外だった、妻亡き後の父子世帯の夫も、今は支給対象になっています。被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たした人が死亡したときで、保険料納付済期間(免除期間含む)が加入期間の3分の2以上あること。ただし、平成38年(2026年)3月末までは、死亡日に65歳未満であれば、死亡月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうち、保険料の滞納がなければ受けられます。 また、年収が常時850万円以下であることも受給の条件です。

豊田 眞弓

執筆者:豊田 眞弓

教育費 ・ 奨学金ガイド

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2012年に成立した「社会保障と税の一体改革関連法」により、それまで遺族基礎年金の支給対象外だった「父子家庭」も支給対象に加えられました。
 

父子家庭

父子家庭も遺族基礎年金の対象です

 

かつての遺族基礎年金は…

もしも子どものいる妻が夫を亡くしたとき、国民年金から遺族基礎年金が受け取れ、厚生年金に加入していた会社員の夫であれば、さらに遺族厚生年金ももらえます。

現状では、子どものいるご家庭で妻が亡くなった場合、夫も遺族基礎年金の支給対象となっていますが、かつては対象ではありませんでした(妻が社会保険であれば、遺族厚生年金の支給はあります)。

2013年度までは遺族基礎年金の対象は「子のある妻、または子」に限定され、「父子」は対象外となっていたのです。

その後見直され、現状では、母子家庭だけでなく父子家庭も遺族基礎年金の対象になっています。
 

遺族基礎年金の概要

<支給要件>
被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たした人が死亡したときで、保険料納付済期間(免除期間含む)が加入期間の3分の2以上あること。

ただし、平成38年(2026年)3月末までは、死亡日に65歳未満であれば、死亡月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうち、保険料の滞納がなければ受けられます。 

また、年収が常時850万円以下であることも受給の条件。常時850万円を超える収入があると給付は受けられません。

<対象者>
死亡した人によって生計を維持されていた、子のある配偶者または子。

子=18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子。または、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子。

<年金額(平成30年度)>
779, 300円+子の加算

子の加算:
第1子・第2子 各224,300円
第3子以降   各 74,800円

(注)子自身が遺族基礎年金を受給する場合の加算は第2子以降について行い、子1人あたりの年金額は、上記による年金額を子どもの数で除した額。
 

「父」にも遺族基礎年金が支給に!

遺族基礎年金は国民年金制度から支給される遺族サポートです。夫を亡くした「子のいる妻、または子」には支払われるものの、妻を亡くした「父子」には支払われず、以前より公平でないことが指摘されていました。保険料は平等に負担しているのに、「父子」への支給がないことは確かに平等ではありませんでした。

最近は共働き夫婦も増え、妻の収入があって初めて成り立つ家計も増えています。また、妻が大黒柱になって生計を担い、夫が「専業主夫」になる世帯もあります。

その場合、母親が亡くなると収入が途絶えるか激減してしまうにもかかわらず、遺族基礎年金の支給はなく、経済的に困窮するケースもみられました。

そんな中、2012年8月に成立した「社会保障と税の一体改革関連法」の中に、これまで遺族基礎年金の支給対象外だった父子を支給対象に加える内容が盛り込まれ、こうした不平等が解消されることになったのです。
 

きっかけは東日本大震災

経緯を知らないと、「ナゼ急に変わったの?」と思う人もいることでしょう。実は、少なからず東日本大震災の影響があるのです。

震災で多くの方が亡くなられましたが、被災地では、夫を亡くした母子も、妻を亡くした父子もいました。一方は遺族基礎年金が支給され、一方は支給されず、不平等であることが浮き彫りになりました。

その結果、「社会保障と税の一体改革関連法案」の中に遺族基礎年金の父子家庭への支給が盛り込まれたそうです。

【参考記事】
父子家庭も児童扶養手当の対象に!
2020年度導入予定の「高等教育の無償化」とは


 
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