お子さんに伝わるのは名前でも字画でもなく、親の姿勢
占いは「うらない」と読まれ、大和言葉の「裏の会い」から来たとも言われます。つまり関係のないものを裏で結びつけることで、氏名と運勢を結びつける姓名判断もその一つです。すなわち姓名判断には理論的、統計的な根拠というものはありません。そもそも漢字というのは絵が変化してきたもので、時代により、地域により、たくさんの書体、字体があり、決まった画数などないのです。ただし根拠が無いからといって、占いをしてはいけない、と否定はできません。スポーツや娯楽はみなそうで、根拠など必要はなく、興味をもつ、もたないは個人の自由です。ですから他人が占いの教室に通うことを止められませんし、他人の名づけに口を出して「字画を合わせろ」などと占いを強要する権利も誰にもありません。まして頼まれもしないのに他人の氏名を勝手に占って告げるのは失礼な行為です。
姓名判断に従う名づけは、たくさんの名づけの方法の一つとして世の中に存在します。名字からつけられる名前の範囲が決まりますから、好きな名前をつけることはできませんが、特に名前の好みがなく、名前を考えるのが面倒で他人に教えてほしい、という受け身の人には便利です。もちろん一人の占い師に字画の合う名前を作ってもらっても、別の流派でまた悪い判断をされるのは当然で、それは覚悟しなければなりません。
以上のようなわけで、名前で本人の性格や生き方が決まることはありませんし、もちろんある流派で氏名の字画が悪い、ということが本人に何も影響するわけではありません。ただし名づけのさいの親の感覚、姿勢というものはお子さんに伝わり、それがお子さんの生き方に影響はします。ですから、親が他人の口出しにふり回されますと、その感覚、姿勢がそのままお子さんに伝わり、お子さんも他人の口出しに惑わされる性格になる、ということは考えられます。素人さんと名づけの話はせず、候補の名前をうかつにしゃべらず、占いに対して正しい知識をもつ、ということが人に惑わされないための秘訣です。