いまだからこそ、腕利きの職人たちのこだわりの家


オールアバウトのガイドKさんから自邸のオープンハウスの案内をもらって、都立大学にほど近い自邸「柿の木坂の家」を見学に行ってきました。
それはひとことで言えば木と土の家。ぱっと見には純和風の建築です。玄関も庭も“和”の雰囲気。どこかの温泉宿の離れにでも来たような気分です。


玄関からいきなりの大空間。リビングというよりは「大広間」という感じでしょうか。2階までの吹き抜けに南面の大開口部。大きな一枚ガラスがはめ込まれています。右手を見ると、一段上がったところに仕切のない畳の間。
リビングに相対する位置にオープンキッチンを囲んだダイニングがあります。これがひと続きの大広間となっているわけですね。

それにしてもなごむなあ、この空気感、この香り。
なぜって、ここは木と土とに囲まれた空間なのです。
床に張ってあるのは木曽五木のひとつ「さわら」の木。やわらかすぎるので建築物には向かないと敬遠されてきた木なのだそうですが、どうしてどうして、そのやわらかい感触は足の裏にしっとりなじんでじつに心地よい。
柱には杉やひのき、ほかにも建築家の荻野紀一郎さんが第二の住処にしている能登半島のアテ能登ヒバなども使われているそうです。まさに下も上も横も木、木、木…そして壁には珪藻土の湿った質感。
荻野さんは、赤っぽくなる珪藻(けいそう)土を黒くするために古瓦を粉状にして混ぜて使うなどの一工夫をしたそうです。
ちょっとその概要を書き出してみましょう。


・化粧柱 ひのき(和歌山産)
・大黒柱 杉丸太(日の出町森林組合)
・1階床 さわら厚板(岡部木材)
・2階&小屋裏床 杉厚板(岡部木材)
・階段手すり 杉丸太(奥多磨町林業家・原島氏)
・トイレ・洗面床・天井 アテ能登ヒバ(岡部木材)
・造作枠 杉構造材
・梁 米松
・階段 さくら
・外壁 左官職人・片山氏による土壁風リシンかき落とし仕上げ、一部漆喰はんだ仕上げ(建て主も参加)
・内壁 ドロマイトプラスター下地、珪藻土、石川県の古瓦の粉、漆喰、わらスサ仕上げ(厚塗り部分)
・庭園・外溝 アメリカ人ランドスケープアーキテクトのロン・ヘンダーソン氏の設計による日本庭園
・畳の間・天井・建具 能登仁行和紙による竹和紙、一部柿渋塗
・障子紙 こうぞ和紙(建築家と建て主と学生たちで貼る)
・外部木材塗装 柿渋塗
・内部木部塗装 オイル仕上げ、一部シナ合板建具部分は柿渋塗