沖縄の秋祭りを楽しむ
首里城祭で那覇の街を練り歩く琉球王朝絵巻行列 ※写真提供:財団法人沖縄観光コンベンションビューロー
日本全国で様々な秋祭りが行われているのと同じく、沖縄でもこの時期は各所で祭りが行われています。もともと年間を通して祭り事が多く、古くからの土地の伝統が大切にされている沖縄では、今でも伝統的な祭事が数多く受け継がれています。沖縄、宮古、八重山のそれぞれの地域では、民族学的に大変重要な意味を持ち無形文化財に指定されているような祭事も多く残り、中には外部者にはいっさい公開されないものまで。といってもそれはごくごく一部の話であって、通常は観光客であっても楽しく見学できるのでご安心を。
沖縄本島で夏~秋の祭りといえばエイサーです。旧盆では沖縄本島全土で集落の青年たちによるエイサー演舞を観ることができますが、9月にもまだ名護市青年エイサー祭りや、世界エイサー大会など、各所でエイサーイベントが予定されているので、この時期に沖縄を訪れる人はぜひ足を運んでみて。
沖縄の夏の風物詩エイサー。秋にはまだいくつかエイサー演舞を観る機会があります
エイサーと同じくこの時期各地で開催されるのが綱引き祭り。綱引きといっても、子供のころに運動会でやったあの綱引きとは桁違いのたいそう大掛かりなもので、綱の大きさだけでも圧巻です。
綱引きの概念を覆す巨大な綱引きは迫力満点! 神輿祭りに通じる躍動感を体感できます (C)OCVB
沖縄のこの綱引きは、もともと農耕儀礼として、また雨乞いや翌年の豊作祈願のために行われるもので、県内の各所で様々な様式で受け継がれています。毎年9月~10月にかけては、沖縄三大綱引きのひとつと言われる「
糸満大綱引」や、世界一の綱とギネスにも認定された「
那覇の大綱挽きまつり」が開催され、その堂々たる迫力は一見の価値アリです。お祭り好きな方はぜひこの時期に合わせて沖縄を訪れ、祭りの血を騒がせてみてはどうでしょう?
月夜に楽しむ琉球古典芸能は琉球王国の栄華を伝えてくれる (C)OCVB
血沸き肉踊る……ではなくしっとり優雅に祭りを楽しみたい方は、中国の冊封使をもてなした宴を再現する、首里城公園の「
中秋の宴」へどうぞ。ユネスコの無形文化遺産にも登録されている組踊(琉球時代に作られた歌踊劇)や古典舞踏などのプログラムが上演されます。月明かりの下、ライトアップされた正殿前ステージは朱色が鮮やかに浮かびあがり、優雅な気分で琉球時代の雰囲気を楽しむことができます。雅やかな朝廷文化に酔いしれる贅沢なひとときとなりそうです。
ライトアップされた正殿前ステージで繰り広げられる琉球古典芸能の数々※写真提供:首里城公園
鮮やかな色彩の衣装や独特の所作など、大和文化とは大きく異なる琉球文化の魅力を体験できます ※写真提供:首里城公園
紹介したお祭りに関するリンクを掲載するので、開催日程についてはホームページで確認してみてください。
■首里城公園「中秋の宴」
http://oki-park.jp/shurijo/event/181
■「糸満大綱引」 「真栄里大綱引き」
http://www.city.itoman.lg.jp/kankou-navi/midokoro.html#fallEvent
■「那覇大綱挽」
http://www.naha-otsunahiki.org/
■「首里城祭」
http://oki-park.jp/shurijo/event/182
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