朝から晩まで犬も歩けばイライラしてそうなストレス社会。ため息が温暖化を招いているのではと思ってしまうような世の中だが、ストレスといえばよく聞かれるのが「ストレスで胃に穴が空く」という言葉。ストレス自体が実際に胃潰瘍に繋がったり、という話も聞く、ストレスと胃の関係はどうなっているのか。胃との関係を中心に、ストレスと体に与える影響について、オールアバウト「ストレス」ガイドの大美賀直子氏に聞いた。

「ストレス」ガイド大美賀直子

「ストレス」ガイド
大美賀直子

「胃に穴が空く、という状態は、胃の表面がただれた「胃潰瘍」の状態が進行した形です。その原因にはピロリ菌の感染、薬剤の長期服用のほか、ストレス、生活習慣、食生活の乱れなどによって胃酸と粘液のバランスが崩れることで、起こりやすくなると言われます。胃潰瘍というとすぐにストレスと結びつけて考える方も多いのですが、その原因はさまざまです」

穴が空くところまでいくのは相当深刻だが、そこまでいかないものの、何かツライことがあると胃が痛む…そんな経験をしたことある方、多いのでは? ストレスを感じて真っ先に胃を慮る理由も、ちゃんとあった。

「胃に関わらず、内臓の動きや血流などは自律神経がつかさどります。この自律神経はストレスの影響を受けやすく、強いストレスに長くさらされていると自律神経のバランスに乱れが生じて、スムーズに動いていた器官の働きも乱れ、不調を招きます。痛みや異常を感じるのもこのせいです。

なかでも胃は、自律神経の影響を顕著に受けやすい器官のひとつです。このストレス→自律神経の乱れ→胃の働きの乱れという関係性が、ストレスと胃の不調、両者を結びつける要因になっているのでしょう」

構造的にも大いに関係性がある、病気とストレス。だが大美賀氏は、体の異変をストレスと結びつけすぎてしまう危険についてもこのように述べる。

「たしかに体に現れる病気には、少なからずストレスが関係しています。ただし、体に症状が出たら、まずは内科系の専門医の診察を受けることが大切です。ストレスが起因していたとしても、体に症状が出ていれば器質的な障害がある可能性がありますので、まずそれを治療することが先決です。専門医を受診しても改善せず、症状が続くようであれば、先生に心療内科を紹介してもらうなどして、心の治療を検討してみるといいでしょう」

過度のストレスが人体に良くない影響を及ぼすのは間違いない。運動や食生活、体の健康と同じように、心の健康にも気を配りたい。
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