第一のルールは”分散投資”です
投資をギャンブルにしないために、最大のルールは分散です。投資対象をいろいろな資産に広げます。たとえば、株式、債券、不動産、商品などです。その上で、投資地域も世界中を考えます。アメリカ、ヨーロッパ、アジア、新興国などです。私は、投資期間が30年以上ある人には、世界GDPの国別構成比に合わせて、世界中の株式市場に投資することをおススメしています。第二のルールは、”複利”です
複利とは、投資収益がまた投資収益を生む投資法のことです。複利運用では、投資した成果(価値上昇や分配金)を、常に元本に再投資して、投資元本を拡大することに務めます。単利の運用では、お金は一定の上昇率でしか増えていきませんが、複利にするとかけた年数のべき乗で増えていくので上昇率も急カーブを描きます。10年超の投資期間を有する人には、複利は絶対に有利です。
お金が増えた都度に、そのお金を引き出して使ってしまうのは、実にもったいない習癖なのです。
第三のルールは、”長期投資”です
最後のルールは時間をたっぷりとかけることです。お金を増やす源泉は時間にあります。まさにタイムイズマネー!なのです。時間をかけると、お金は複利の法則により大きく増えます。しかも、収益率が一定の平均値に収束する性質を持っています。ですから、リスクは低減するのです。
ただし、長期投資でもお金が減ることがあります。それは第一の分散がなされていない場合です。日経平均だけに投資し続けてきた人が、20年経った今でも赤字なのは、国内マーケットにしか投資していないからです。
キーワードその1は「ポリシー」
マーケットの方向性に対する一定の予測とその対策をポリシーと呼びます。たとえば、私は世界の株価は右肩上がりに上昇していくと信じていますから、どんなときでも世界中の株式市場に投資し続けるというポリシーを貫いています。しかし、その逆をポリシーとする人がいてもいいし、金価格の高騰だけに賭ける投資があってもいいのです。大事なことは、ポリシーを貫くことです。
キーワードその2は「リターン」
リターンとは、投資による収益率のことです。通常は、1年間で増えた金額を投資元本で割る年率リターンで比較されます。長期間の場合には、長期間のリターンを平均年率で表す場合と、累積リターンで表されることもあります。公平な比較をするためには、投資商品をできるだけ長期間のリターンで測ることが肝要です。
キーワードその3は「リスク」
リスクとは危険のことではなくて、リターンのブレをいいます。預貯金のようにリターンが確定しているものはノーリスク、株式のように暴落や高騰がある物はハイリスクです。リスクとリターンは相関関係にあります。高いリターンを狙うにはハイリスクを受け入れなければなりません。リスクを避けたい人は小さなリターンしか手に入れることはできません。
キーワードその4は「コスト」
投資には費用負担がありますが、忘れてしまいがちです。リターンばかりに気を取られていると投資に対する公平な評価を損ねます。投資にかけたコストはリターンを引き下げるからです。勉強代、手数料、書籍代などもすべて投資のコストです。最大のコストは所得税ですが、投資にかけた時間も意外なコストです。時間というコストをかけすぎて、本業や家庭生活に支障を来さないように注意してください。
キーワードその5は「リバランス」
分散された資産の固まりをポートフォリオといいますが、そのバランスを修正することをリバランスといいます。株価の変動により資産の配分比率がずれてきたら、それを復元するリバランスもありますが、目指すべき理想の資産配分が変わってきたことで、構成比率を修正するリバランスもあります。近年では、新興国株の構成比を下げ、日米の株式の構成比を上げるというリバランスが継続して行われています。
いかがでしたか?
3つの基本ルールと5つのキーワードを身につけて、賢い長期投資家となってください。