伊勢神宮参拝の隠れスポット「斎宮(さいぐう)」
伊勢神宮へお参りする人は多いのですが、途中にある斎宮(「いつきのみや」とも呼びます)へ足を延ばす人はほとんどおりません。隠れスポットで、あまり知られていませんが、平城京跡なみのすごい史跡です。斎宮とは古代から南北朝時代まで続いた伊勢神宮に奉仕する斎王の御所。ここで520人ほどが働いていましたが、中心となるのが斎王。美内すずえさんの漫画「アマテラス」は倭姫をモチーフにしていますが、この倭姫が2代目斎王です。
天皇が変わるたびに未婚の内親王または女王の中から斎王を選びます。まずは嵯峨野にある野宮(現在の野宮神社と言われています)で斎戒生活を送ってから伊勢へ向かいます。
歴史にもたびたび斎王が登場しますが有名なのは斎王になった姉・大伯皇女に会いにきた大津皇子。大伯皇女が大津皇子を見送った歌が万葉集に残っています。「わが背子を 大和へ遣ると さ夜深けて 暁露に 吾が立ち濡れし」。この後、大津皇子は24歳の若さで処刑されてしまいます。
いつきのみや歴史体験館があり斎王の生活や十二単を着る体験などもできます。また斎宮の中央を農道(遊歩道)が走っているのですが、発掘の結果、この道が奈良時代から現代まで続く道であることが判明。奈良古道と呼ばれています。
最近、各区画を分けている道の一部が復元されましたが、広いですねえ。この道のすぐわきで国内最古となる「いろは歌」の墨書土器が出土し話題となりました。
駅周辺一帯が遺跡になっていますが、まずは駅から徒歩15分のところにある歴史博物館で事前知識を仕入れると、もっと楽しめます。電車でしたら近鉄・松阪駅で普通に乗換えましょう。
■データ
斎宮歴史博物館
〒515-0325 三重県多気郡明和町竹川503
近鉄斎宮駅下車(普通しか止まりません)
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/saiku/
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