低予算、古典的なシチュエーションながら演出と脚本で魅せる隠れた名作
『アイデンティティー』
最後まで結末がわからなくて、見終わった後に「やられた!」と思う映画といえば、私は『アイデンティティー』を挙げます。■あらすじ
嵐の中、道路が遮断したため行き場を失い1軒のモーテルにやってきた11人の男女。降りやまない雨の中、モーテルで次々起こる連続殺人。残された人々は精神的に追い込まれていく。いったい誰が犯人なのか?
■おすすめの理由
「17歳のカルテ」や「ウォーク・ザ・ライン」などのヒット映画を手掛けたジェームス・マンゴールド監督の作品。日本ではあまりヒットしなかったようですが、アメリカでは2003年の公開時、5週連続で興業収入トップだった映画。キャストもジョン・キューザック、レイ・リオッタ、レベッカ・デモーネイなど演技派揃いです。
ともすればB級ホラーになりかねない、「孤立した1軒家での連続殺人」という古典的ともいえるシチュエーションを、スピード感溢れる映像と見事な演出で終始ハラハラ、全く退屈しないまま予想外のラストを迎えます。好き嫌いがあるかもしれませんが、私は全く予想していなかった結末で「やられたー!」と思いました。低予算なのに、演出と脚本でここまで面白くできるのだなと感心した映画です。この手の「やられた!」系映画では隠れた名作だと思うので、まだご覧になっていないかたはぜひ。