都市型住宅とは
都市に建つ住宅は制約が多くても工夫をこらすことで理想の暮らしを実現できる
■都市部に建つ戸建て住宅
■敷地面積は狭めである
■敷地形状は間口の狭い長方形
■近隣の家同士が接近して建つ
郊外型の敷地にゆとりのある戸建て住宅とは異なり、採光、通風、プライバシー、防犯などの面に配慮が必要になってきます。そのために取られる間取りの工夫を以下に挙げます。
都市型住宅間取りの工夫例
■敷地が狭いため、道路に面してビルトインガレージを設けることが多い。■内部に中庭などの空間を設け、そこから採光・通風をとる
■3階建てにしたり、または地階を造るなど縦方向で面積を確保する
ビルトインガレージとは
ビルトインガレージ採用の際は建物の強度に気をつけて。
メリットとしては、駐車場が屋内にあるので雨にぬれずに乗り降りや荷物の運搬ができることがあります。デメリットとしては、敷地の狭い間口いっぱいに駐車場が設けられるケースが多く、その部分に柱が設けられないため、家全体の構造耐力が弱くなってしまう可能性があることです。最近ではこのようなビルトインガレージ形式をとる場合は、開口部に補強を行うなど対策が進んでいます。
中庭からの通風・採光
隣の住戸と近接して建つため、プライバシーの面で建物の外周部に開口部を設けにくく、またせっかく窓を設けても隣の建物の影になり日照が期待できない場合があります。従って、住宅の内部に中庭的な空間を設け、そこに向かって大きく開口を取り、通風や採光を取るという手法をとります。また、トップライトを設けて上方向から採光を取る方法も有効です。3階建てにする、地階を造る
もともと敷地面積にゆとりがなく、かつ1階にビルトインガレージを設けることになると、住居面積として不足した分は縦方向に面積を増やして補うことになります。3階建てにする場合、木造でも可能ですが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の採用も視野に入れて、どの構造を採用するか検討してみてください。3階部分は日照・通風・眺望面で条件がよくなりますが、日常的な上り下りがきつい部分になりますので、設ける部屋についてはよく検討することが大切です。
地階を設ける場合、地上階は木造でも、地階だけは鉄筋コンクリート造など別の構造を採用しなくてはなりません。混構造になることや土の掘削や処理等も発生するため、建設コストは高めになります。
次のページで都市型住宅の間取り例をご紹介します。