キャリアチェンジの場合のキャリア形成
オーストラリア(シドニー)での求人の様子。留学デスクなどでも探すことができる。 |
例えば、経理業務に興味があるという人は、ワーキングホリデーではあまり有効な成果は見出せないでしょう。渡航を急ぐよりも日本で簿記の勉強を始める方がキャリアプランに合致しています。一方、旅行業界で働きたいと考えている人は、とりあえず渡航して英語を学び、現地でツアーガイドを経験してみるのもいい経験だと思います。旅行業界ではワーホリ経験者がたくさん活躍しています。
また、現時点で英語力があり、数年間の海外生活が可能な人なら、ワーキングホリデーよりもアメリカを始めとする大学院で会計学を学ぶ方法や、オーストラリアのTAFE(専門学校)でホスピタリティを学んでもいいかもしれません。それぞれ、経理のプロを目指す人、旅行関連業務を目指す人のキャリア形成になるでしょう。
ワーキングホリデー帰国者に不足するもの
以前、ワーキングホリデー帰国者が定職についていないケースがあるとして、厚生労働省の呼びかけで関係者が集まり、どのようにすれば帰国後の就職活動をスムースに進めることができるかを検討したことがありました。ほぼ1年間に亘る検討会にはワーキングホリデー関係者以外にもハローワークの方や人材紹介会社の方なども参加していたのですが、意見として一致していたのは、ワーキングホリデーの帰国者が、自身の現地での体験をきちんとアピールしきれていない、ということでした。
企業の採用担当者にしてみれば、ワーキングホリデーに1年行っていた、と言われたら、当然何らかの成果があったはず、と考えます。逆に何の成果も得られないような人材は採用に値しないと考えるはずです。
自分の海外体験をきちんと整理しよう
1年間遊んでいたと思われないように、きちんと「成果」をアピールしょう。 |
その際、成果はできるだけ具体的に示した方がよく、例えば TOEICのスコアを現地で取得していたら1年間でこれだけスコアが伸びた、という言い方は有効です。努力という言葉に実際の数字を加えることで、アピール材料としてはより確かなものになります。
これまでも、何人かのワーキングホリデー体験者の話を伺いましたが、皆さん本当に素晴らしい体験をしています。あとは自分のしてきたことに自信をもって面接に望むことです。
ワーキングホリデーの体験は、就職活動という観点でみれば、採用側の印象により有利にもなり不利にもなります。1年間「ホリデー」として遊んで過ごしたか?「ワーク」によって何かを得たのか? それを表現するのは皆さんです!