西ナイル熱の原因・感染経路

1937年にアフリカのウガンダ北西部の西ナイル地区の患者から分離されたウイルスによって起こる病気であるために、西ナイル熱と呼ばれています。西ナイル熱ウイルスは、フラビウイルス科フラビウイルス属で、日本脳炎と同じ種類のウイルスです。
日本脳炎の感染経路・症状・予防・後遺症

蚊

蚊を媒介して感染します。人から人への感染はありません

西ナイル熱ウイルスは、カラス、スズメ、カモメなど数多くの鳥類の体内にあって、無症状またはウイルス血症になり、多くは死亡し、生き残った鳥類で増えています。ウイルス感染した鳥類を刺した蚊(イエカ、ヤブカ)に刺されることで、ヒトに感染します。

ただし、ヒトからヒトへの感染はありません。

日本脳炎と同様、症状が出ない感染、「不顕性感染(ふけんせいかんせん)」が約80%で大半です。

しかし約20%に発熱などの症状が見られ、感染者の0.6~0.7%にウイルスが脳に侵入し、神経細胞で増殖して脳炎を起こします。

日本で発生しておりませんが、感染症法の4類の病気ですので「西ナイル熱」と診断すれば、医師はただちに保健所に届け出ないといけません。

西ナイル熱の潜伏期間・症状

感染

高齢者で感染すると重症になります

ウイルスが侵入して発症するまでの潜伏期間は2~14日。発症時は、風邪のような症状です。
  • 頭痛
  • 名前の通り、発熱
  • ノドの痛み
  • 関節痛、筋肉痛、背中の痛み
  • 腹痛、吐き気
  • 発疹やリンパ節の腫れ
と言ったインフルエンザのような症状です。1週間程度で自然に回復します。

しかし、発症者の3~3.5%は脳炎を起こします。

脳炎の症状は以下のとおりです。
  • 激しい頭痛
  • 高熱
  • 吐き気、嘔吐
  • 方向感覚の欠如
  • 体が動かなくなる麻痺
  • 意識が無くなる意識障害
  • けいれん
  • 呼吸が難しくなる(呼吸困難)
などがみられます。

西ナイル熱の検査と診断

症状から西ナイル熱が疑われた場合、血液検査や髄液検査を行います。血液検査では白血球の数が増えていないか、髄液という脳を守っている液を採取する検査では、細胞が増えて髄膜炎と似た状態になっていないかをチェックします。

診断は、髄液、血液からウイルスそのものを検出するウイルス分離と、血液や髄液からウイルスに対する抗体検査で行います。

西ナイル熱の治療法

残念ながら、西ナイル熱に対する抗ウイルス薬はありません。それぞれの症状に応じた対症治療が中心となり、鎮痛解熱薬で発熱や痛みを抑えます。けいれんがある場合は抗けいれん薬、脳が腫れている場合は腫れを抑える薬を使います。

ワクチンは現在、開発中です。

西ナイルの予後・予防

多くは、自然に1週間程度で後遺症なく治癒します。しかし、高齢者では重症化しやすいと報告されています。重症者は感染者の約1%で、重症者の3~15%が死亡すると言われています。

蚊に刺されないことが予防になります。
  • 肌には虫よけ(蚊よけ)スプレーをしておく
  • 外に出る時には長袖、長ズボンにする
  • 網戸をする
  • 室内では蚊取り線香や煙の出ない液体蚊取りなどを使う
  • 屋外ではボウフラを防ぐために、水を溜めておかない
などです。
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