肩寄せ合い、夕日に架かる吊り橋を
自動車道とフェリーを組み合わせたルート選びができるのも、しまなみ海道の特徴です。たとえば尾道の街を観光した後、向島に渡るなら遠回りとなる橋より、すぐ前から出るフェリーが便利。
300mの海峡を4分で行き来する兼吉渡しなら、4m以上5m未満の車両の航走料金は運転者1名の運賃を含み、わずか130円! しかも風情も情緒もたっぷりです。
そしてしまなみ海道の一大スペクタクルは、四国・今治を結ぶ来島海峡大橋。全長4105mの世界初の3連吊り橋は圧巻で、初めてドライブしたときは天空に通じているのでは? とすら思いました。
この橋は、20世紀の橋梁技術の粋を集めた、コンテンポラリーアートともいえそうです。鑑賞するなら夕暮れ時に大島の亀老山展望公園を目指しましょう。
山頂には今をときめく隈研吾設計の展望台があります。そして、駐車場下の道には橋に向かって張り出したテラスがぽつん、ぽつんと。
これは写真家、安藤喜多夫氏の提案によって設けられたもので、ANDO POINTと呼ばれています。ふたりで肩寄せ合い、海流の中の島々、そして夕日に架かる吊り橋を眺めるのにも、絶好のスペースです。
自転車天国でもある、しまなみ海道
島と島を結ぶ橋では自動車専用道にもかかわらず、車線の傍らを自転車や歩行者が行き来しているのに驚くはずです。ICで降り島の道を行けば、左の路側にブルーラインが続いているのもちょっと不思議です。
実はしまなみ海道は自転車乗りの聖地としても名を馳せていて、島と島を結ぶ橋のすべてには自転車・歩行者専用道の側道が併設されているのです。
島内道路にペイントされたブルーラインは、尾道と今治を結ぶ最短ルートを教えてくれる「しまなみ海道サイクリングロード推奨ルート」です。
このラインがある道はサイクリストが多いので気をつけましょう。ちなみに自転車もクルマと同じ左側通行が原則です。