家具と繋がるキッチンと木張りのバスルーム
1. ソファで寛ぐのは、この家を担当した伊礼智設計室の小倉奈央子さん。丸テーブルは小泉誠のデザイン。 2. キッチンの壁は白いタイル張り。奥の床下には通気用のジャロジー窓がある。 3. キッチン収納と隣り合わせの洗濯室と洗面所。奥はバスルーム。 4. バスルームは床のタイルが腰の高さまで立ち上がる。 5. 片流れの天井にはトップライトがある。壁と天井はサワラ材。 |
階段の向かい側も同様に、窓際の造り付け赤いソファーがエアコンを組み込んだ棚のあるライティングデスクに続き、冷蔵庫を挟んでキッチンへと、明快な境界がなく繋がっていきます。北東側に配置されたバスルームは、わずか1坪程ですが、最高4mという片流れの天井とトップライトの効果で、湿気とは無縁の明るく快適な空間になっています。
狭小住宅は、住まう家族の日常が無理なく成り立つことは当然として、それを超える生活の楽しさが感じられなければ、建てる意味がありません。その意味でこの家は、多様に使える場や居場所のあるプランと、建築と家具が融合したインテリアとが相乗効果を生んで、小さな家の閉塞感を解消し、豊かな生活を実現させた最良のモデルケースとなりました。
◆建築データと建築家プロフィール