--そもそも10年前、なぜ無印良品が家をつくりはじめたのですか?
無印良品では、食品から日用品、衣類まで7000品目以上の生活用品を扱っています。身の回りのあらゆるものを手がけてきた中で唯一手掛けていなかったのが、そのモノたちを包む器「家」でした。
ユーザーから「無印の家をつくってほしい」
インタビューに応えるムジ・ネットの川内部長
--すでにスタート地点から無印らしいですね。その家の考え方とはどういうものなのでしょうか?
「木の家」外観
家も同様です。便利な設備をやみくもに詰め込むことや、豪華さを競うこと、部屋数を確保することではなく、「暮らし方」から入っていく。無印の生活用品のように、使い心地がよく、無駄を省いた形や機能、構造だけで耐久性や環境性能がしっかりあって、愛着を持って長く使える--という無印らしい考え方が家にも貫かれています。
--外観はごくごくシンプル、中は間仕切り一つない一つ続きの大空間。気持ちいいほど潔い。
「窓の家」外観
時代のほうが追いついてきた
無駄をそぎ落としたシンプルな外観も10年前と変わらずです。実は10年前は、このシンプルすぎる外観が今ほど広く受け入れられていませんでした。しかし時代のほうが追い付いてきた。いま住宅市場でみられる住宅はほとんどシンプルですし、ユーザーの嗜好も若年層を中心にシンプル傾向になってきた。東日本大震災後はより、「シンプルで本質をしっかりおさえる」志向がユーザーの反応を見ても高まってきていると思います。--ということは、エコについてもパッシブ志向?