しっとり上質な走りは“これが3シリーズ? ”
最高出力306ps/最大トルク400Nmを発生する3リッター直6ターボエンジンに、55ps/210Nmのモーターを組み合わせ、システム出力340ps/トルク450Nmとした。リチウムイオンバッテリーはラゲッジに床下に収納、リアアクスルの近くに配置したことで前後重量配分にも貢献する
BMWの最新モデルには必ず備わるECO PROモードでまずは走り出してみる。もちろん、しばらくはEVモード。カタログスペックにある3~4km、時速75km/h、にはそうそう届かないけれども、ミュンヘン郊外のメルヘンな村々を抜ける間くらいはEVで静かに走る。
AH5もかなり重厚に走ったけれども、AH3もスタンダードモデルよりしっとり走る。ただし、AH5では明らかに車体の前後に重い荷物を積んでいるという印象が強かったが、AH3は違った。芯に集った重厚感だ。だから、いきなり加速に移るようなときでも、心許なさなどまるでなく、クルマの反応も自然でダイレクトである。3シリーズのバランスの良さを、まるでスポイルしていない。
助手席にいる間、ハイブリッドシステムの作動状況を映し出すモニターをずっと見ていたら、実に細やかな制御を行っていることが分かった。それでいて、乗っている方はほとんど切換えを感知しない。こういう制御がシンプルなシステムでもできるようになったからこそ、今になってのハイブリッド車市販、ということだろう。
走行特性をコンフォート、スポーツ、スポーツプラス、ECO PROから選択できるドライビング・パフォーマンス・コントロール・スイッチを装備。ECO PROはアクセルペダル特性マップやシフトプログラムの調整、エアコンなどの出力調整などにより燃費をさらに向上させる