実はとても面倒!? 「償還方式」って?
現物支給方式ではなく、「償還方式」という方法で子どもの医療費の補助を行っている自治体もあります。全国的にはむしろ、こちらの方式で行っている自治体の方が多いかもしれません。1ヶ月分の自己負担額(自治体によって違いますが、数百円から数千円程度)を除き、保険で支払った分について、レシートなどをまとめて自治体に請求すると、後で世帯主の口座に振り込まれる、というものです。この制度、親にとっては実に面倒くさくてかないません!「領収書を集めて1か月分まとめて申請しろ」とか「領収書はコピーではダメ」とか、「もし領収書をなくしたら医療機関に行って書類を書いてもらえ」とか、「そんなに子どもの医療費の補助をしたくないの!」と突っ込みたくなるような手続きばかりです。
実はまさに「そのとおり!」。償還方式をとっている自治体では、親の手続きの負担も多いことから、ちゃんと申請して取り戻さない人も多いそう。半分くらいの人しか申請しない、といったこともあるようです。
そしてもっとひどいのは、「現物支給方式」にしている自治体に対して、国から「ペナルティ」が課せられ、本来の補助金を減らされて、さらに自治体負担が増える仕組みになっているということ。なんともひどい話ではありませんか? とても少子化対策とは思えません。
お金のある自治体とそうでない自治体の差もかなり出てきており、子育てをする地域によって子どもの医療費には相当な格差があります。これも、国全体の福祉と考えるとおかしな話です。
意地でも医療費を取り返そう!
「目には目を、歯には歯を!」ではありませんが、国がこうやって子どもの医療費の補助をなるべく減らそうとしている現実に対抗するには、とにかく徹底的に、意地でも医療費をきっちり取り返すしかありません。「少ない額だからいいや」とあきらめず、徹底的に申告して取り返しましょう。申請のための領収書を分類するには、100円ショップで売っているファスナー袋が便利。ビニールのものにマジックで「○月」と該当の月を書き、子どもが複数いる場合にはそれぞれ子どもの名前を書いて、とにかくそこに入れていくようにすると便利。郵送するか、直接窓口に出向くかで、申請の仕方も変わる場合がありますので、自治体のHPなどで確認し、申請漏れのないようにしましょう。
口座に返還された医療費は、使わずにまとめて貯金しておくといいでしょう。それを積み立てておけば、わずかながらでも、タネ銭を作る基礎になります。
同時に、住んでいる自治体に対して「子どもの医療費の公費負担を増やしてほしい」と訴えたり、国へ意見を送ったりしてもいいのです。国からペナルティを与えられても、現物給付で頑張っている自治体だって多いのです。黙っていては、格差はなくなりません。子育て支援を本当に真面目にやりたい国なら、きっとちゃんと応えてくれるはずなのですが……。
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