投資をしたことで、私のお金に対する意識は大きく変わった

最初は不動産投資をしよう、と考えましたが、そのときは貯金が70万円しかなく、とても頭金が足りませんでした。そこで、「欲しいモノを買う」という発想から「必要なモノを買う」という発想にシフトし、夢の実現に直接関係のない費用は徹底的に削りました。そのおかげで、「それは自分の成長に役立つか?」「それは自分の人生を広げてくれるか?」「それは徹底的に使いこなせるか?」という意識でお金を使えるようになりました。

もっと大きかったのは、情報に対する見方が変わったことです。投資をすれば、いやでも世界経済が気になります。景気や為替、株価にだけではなく、日本以外の国の動向に敏感になります。これが、海外への興味を大きく広げてくれました。そして、情報の多くはポジション・トークであり、「情報には必ず発信者の意図がある」ことに気がつきました。そのおかげで、情報を鵜呑みせず、時には疑い、時にはウラを取り、複数の情報ソースから比較し、自分で考える習慣がつきました。
参考:「投資サギに引っかからないウラ読みの仕方」

もちろん、いずれもまだまだ未熟で、自分の洞察力不足を痛感することもよくあります。そのためにも、「情報に流されない冷静さ」を持とうと、日々意識しています。

ダイヤモンドは本当に値段に見合った価値があるか?

たとえば、みながあこがれるダイヤモンド。しかし、ダイヤモンド市場の歴史、プレーヤー、流通の仕組みがどうなっているかを知れば、必ずしも憧れの対象ではなくなります。ダイヤモンド市場を実質的に牛耳っているのは、南アフリカのデビアス社であることは広く知られていますが、デビアスは市場価格の下落を防ぎ利益を維持するため、ダイヤモンドの流通を牛耳っています。

まず、ダイヤモンド生産者組合と呼ばれる生産者連合を作り、生産調整を行わせました。次に、その生産物を一括して買い上げ、分類作業を行うダイヤモンド貿易会社を設立、それらのダイヤモンドを一手に販売する中央販売機構を作りました。 こうした仕組みは今日でも基本的には同じで、このシステムにより、デビアスは生産調整を行い価格の決定権を得て利益をプールすることで、新しい鉱山の買収・出資資金や、生産調整のための買い入れ資金にあて、独占的な循環システムを作りました。当然、このシステムに従わない業者に対して圧力をかけたことは想像に難くありません。

さらにデビアスが成功した要因のひとつはマーケティングにあります。

「A Diamond is Forever(ダイヤモンドは永遠の輝き)」は、もっとも成功したマーケティングのひとつとして知られています。このコピーの目的は、女性がもらったダイヤモンドを転売しないようへ価値観を植え付け、中古品による市場価格の下落を防ぐことです。この結果、ダイヤモンドは普遍的な価値を持つものという常識が出来上がり、小売業者は高値でダイヤモンドを売ることができるようになりました。さらにデビアスは、ジェイ・ウォルター・トンプソンという大手広告代理店と組んで、「ダイヤモンドは給料の3カ月分」というスローガンを浸透させ、婚約・結婚・プレゼントに必需品という価値観を浸透させました。

こうした流通支配と巧みなマーケティングの結果、ダイヤモンドは高い価値を持つ宝石として、今でも大きな値崩れを起こすことなく人々に受け入れられています。しかし、かつてイスラエルで、ユダヤ人が独自ルートでダイヤを販売し始めたとき、ダイヤの価格は急落しました。つまり、もしダイヤモンド市場を自由にすれば、間違いなく供給過剰となり、価格は暴落します。

現在確認されている鉱山だけでもフル生産に入れば、産出量はすぐに倍になることがわかっているそうです。さらに現在では人工的にダイヤモンドを生成する技術が存在し、一般消費者には本物との区別ができないくらい精巧になっています。確かにデビアスによる統制システムが働いているからこそ、ダイヤモンドの価値とイメージが安定しているわけです。

しかし視点を変えると、その価格は人為的であり、私たちは本来の価値よりも「水増しされた値段」で買わされていると考えることもできます。もちろん宝石も商品ですから、それは当然と言えば当然なのですが、その金額に見合っているのか、という疑問が湧きます。こうしたことを知ってしまえば、私は同じプレゼントするなら純金がいいな、と思ってしまいます。

というふうに、一歩引いて「調べてみよう」「裏を取ってみよう」という意識で情報に接することができるようになりました。これがその後の投資にも役立ち、ますます私はお金持ちになったのです。



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