ドラマ/夏ドラマ情報

先が見えない現代に『リッチマン、プアウーマン』(2ページ目)

2012年の夏ドラマは刑事・事件ものに学園ものと定番が人気。しかしそんな安定志向に反旗をひるがえすのは、これまでの月9の恋愛ドラマとは違う、先が見えない点が魅力の『リッチマン、プアウーマン』です。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

夏休みこそ学校

刑事・事件ものを除くとトップは、フジ系火曜22時枠の『GTO』。定番の内容で安心してみることができます。主演のAKIRAはワイルドさこそ前作の反町隆史には及びませんが、人の良さそうな感じとダンスで鍛えた身体能力によるアクションに見応えがあるのが長所です。

TBS系金曜22時枠『黒の女教師』も生徒に迫る悪を三人組がこらしめるという、『GTO』似た構造で悪くないスタート。ただし、このパターンだと「必殺」的爽快感を期待したいところですが、そこがありません。ですので今後は落ちていくんではないでしょうか。

先が見えない

続いてはフジ系月曜21時枠の『リッチマン、プアウーマン』。初回の前半は主人公・日向徹(小栗旬)と経営する会社を実に軽薄に描き、「トレンディドラマ(笑)の復活か?」という勢いでしたが、後半はかなりしっかりしたお仕事ものに変わってました。そして最後はヒロイン・澤木千尋(石原さとみ)が偽名であることがあきらかになるという意外な展開。

一見、王道お仕事ラブコメに見えて、全く先の見えないところが現代を反映して楽しめます。軽薄なところもおそらく狙ってやっているんでしょう。月9も変わってきました。三話までくるとかなり方向性が見えたような気もしますが、まだ何があるかわかりません。特に初回の前半で見ることを止めてしまった人におすすめします。

フジ系日曜21のドラマチック・サンデー枠『ビューティフルレイン』もいいところにつけているように見えますが、直近の回の前番組は『27時間テレビ』のフィナーレ、この盛り上がりに連られたようで、いつもはこんなに高くありません。父娘(豊川悦司、芦田愛菜)の情愛を細やかに描くところはいいのですが、難病でひきつけようとするところがややあざとい。なにげない日常だけで物語を引っ張った『マルモのおきて』には及びません。

中押しが効くか?

こちらで紹介するドラマは、内容はいいけど伸び悩み気味。中押しで事件を起こしていて浮上できるか、がポイントになりそうです。
  • 「無戸籍」の実態を描く『息もできない夏』は、DVな実の父(要潤)の登場。
  • 国税徴収官の職業観を誠実に描く『トッカン』は、友達と思っていた相沢芽夢 (美波)に裏切られてしまいました。
  • 子を思う母を誠実にコミカルに描く『ゴーストママ』は、元上司の三船(生瀬勝久)まで幽霊になり、仲間由紀恵と『ごくせん』コンビがガチにからむようになりました。
それぞれに効果はあるのか、今後に注目です。
視聴率グラフ

               視聴率グラフ

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