エントリーモデルとして充分な機能性
ミラーレスの弱点ともいわれるオートフォーカスの速度ですが、NEX-F3では弱点と思わされるような速さではありませんでした。全般的にフォーカス速度はきびきびとしていて、オートフォーカスが原因でシャッターチャンスを逃すというようなシーンは、一般的な使用方法ではないといってしまってよいと思います(モーターレース等を撮影するのであれば、また別ですが)。連続撮影機能は連写を優先とする「速度優先連続撮影」であれば5.5枚/秒、通常撮影時では2.5枚/秒で、NEX-C3と同等となります。これもほとんどのユーザーにとって充分な性能となるでしょう。
もうひとつ、NEXシリーズとしては機能的に新しいトピックスがあります。ハイエンドモデルとなるNEX-7以外でははじめてフラッシュを内蔵しているのです。
これまでのNEX-3/5シリーズはすべてフラッシュは同梱されているものの外付けで、NEXシリーズの先進的なフォルムを壊す要因でもありました。
NEX-F3のフラッシュはガイドナンバー6と小型のものですが、ないよりははるかにましであるのは間違いありません。NEX-F3のボディ全体の大きさはNEX-C3に比べてわずかに大型化されています。重量で見ると31グラムほど増加となっています。しかし、小型化をされるよりもこういった基本的な機能を内蔵してくれるほうがユーザーにとっての利便性は高くなっていると筆者は考えます(もちろん、小型化を優先するという機種があってもよいのですが)。
ソニーのデジタルカメラに搭載されている「ピクチャーエフェクト」も11種類15タイプが搭載されており、多彩な色使いを楽しむことができます。詳細は実写画像をご覧ください。ただ、今回もRAW撮影との併用はできないのが玉に瑕。
充電はmicroUSB経由に変更されています。充電器は同梱されておらず、AC/USBアダプタが同梱されているので、本体で充電をするという仕様になっています。
バッテリーライフはCIPA準拠で470枚。NEX-C3の400枚から2割弱の上昇で、かなりのスタミナ具合であるといえるでしょう。充電がmicroUSB経由で気楽になった点も含めて、旅先等でも安心度が高くなったといえます。
まとめ - しっかりとしたエントリーモデル
180度展開できる液晶ディスプレイでの自分撮りばかりがクローズアップされてしまう宿命を持っているNEX-F3ですが、デジタル一眼カメラのエントリーモデルとしてしっかりとした実力を持っています。プレミアムおまかせオートに設定してシャッターを切るだけで、それなりの画像が撮れるのは素晴らしいことだと個人的には思います。
しかし、返す返すもリモコンには対応してほしかったと思います。これまでのNEX-3シリーズとは異なるコンセプトとなる製品なのですから、そういった面での機能の省略を見直してくれれば、おすすめ度はさらに上昇するでしょう。
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