高画質に自分撮りを! ソニー NEX-F3レビュー
NEX-F3 + SEL1855のレンズキット(ブラック)
パッケージを開けた瞬間、「あれ? 間違ってNEX-5Nが送られてきた?」と思ってしまいました。というのもこれまでのNEX-3シリーズはNEX-5シリーズと比べたときに丸みを帯びたフォルムをしていたことが多かったためです。
これまでのNEX-3、NEX-C3といったシリーズは製品の傾向として「女性向け」というものがあり、丸みを帯びたフォルムでかつ多くのカラーバリエーションを用意されたものとなっていました。
しかし、NEX-F3はこれまでのNEX-3シリーズとは異なり、やや無骨なフォルムになっています。特にグリップ周辺は小ぶりだったNEX-C3のそれとは異なり、ぐっと大柄になっています。筆者は個人的には「丸いフォルムが女性向けである」とはまったく思っていないので、これはいい変更といえるでしょう。なお、カラーバリエーションはブラック、ホワイト、ピンクの3色展開となっています。
自分撮りのしやすい180度展開液晶ディスプレイ
NEX-F3最大の特徴はなんといっても、自分撮りができるように180度展開のできる液晶ディスプレイです。180度に展開するだけでなく、これまでのNEXシリーズと同様にローアングル、ハイアングルに強いチルト式ディスプレイとなっています。ちなみに上方への180度展開ができるようになったためか、下方への展開は13度とだいぶ少なくなってしまったのが残念ではあります。
さて、カシオのEX-TR100(レビュー記事)が「自分撮りがきれいに撮れる」という理由で香港・台湾を中心にして大ブレイクした(後継機種のEX-TR150は「発売前に売り切れる」というデジカメとしては前代未聞の売れ方をしたほど)ように、特に女性向けに「自分撮りをする」というニーズは少なからずあるものです。
この180度展開できる液晶ディスプレイはNEX-F3だけが持っている機能としてピックアップできるでしょう。たとえばEOS Kiss X6iのように一般的なフリーアングル液晶ディスプレイを搭載しているデジタル一眼カメラはいくつかありますが、それらの展開方式はボディ横に液晶ディスプレイが出るようになっています。
自分撮りという視点からすると、液晶ディスプレイがレンズのすぐ近くに位置していることが、NEX-F3の利点となります。自分撮りする場合、構図やポーズを決めるときには液晶ディスプレイがレンズの近くにあればあるほど「実際の自分の動き」と「液晶ディスプレイ内の自分の動き」の間にギャップが少なくなり、撮りやすくなるのです。これは100の言葉を重ねるよりも、実際にやってみるとよくわかるのですが……。
なお、液晶ディスプレイを180度展開させたときも、水平方向を入れ替える鏡表示には対応していません。鏡表示ができるとさらに自分撮りがしやすかったのですが。
また、180度展開するとシャッターを押した3秒後に実際のシャッターが切れるという「自分撮りセルフタイマー」にモードが自動的に切り替わるので、レンズ目線での撮影が簡単にできるということも書いておくべきでしょう。
しかし、NEX-F3の自分撮り機能にはひとつ、大きな弱点があるのです。