貯金達人は、どうやって1000万円貯めたのか?
結婚が決まってから、奥山さん(仮名)は毎月10万円の天引き貯蓄を実践。そのかいあって、結婚時には夫婦合わせて400万円の貯蓄に。結婚後、貯蓄ペースはさらに高まり、出産後も育児休暇などを利用し、収入を大きく下げることなく、住宅ローンを払いながらでも2年前に貯蓄1000万円を達成。独身時代は貯蓄とは無縁、結婚後は29歳で貯蓄1000万円
奥山友美さん(仮名) ・年齢/31歳 ・職業/会社員・主婦 ・住まい/三重県鈴鹿市・持ち家(一戸建て) ・家族構成/夫(32歳)会社員、長女(3歳)、長男(0歳)
そんな奥山さんの生活が一変したのは、結婚が決まってから。やはり結婚にお金は必要だろうと、一念発起で毎月10万円の天引き貯蓄を敢行。幸いご主人も堅実だったため、結婚時には2人合わせて400万円ほど貯まっていました。
しかし、奥山さんの本領発揮はむしろ結婚後。5年前、26歳のときに一戸建てを購入。2150万円を借り入れ、毎月7万円の住宅ローンが発生。その後、2人のお子さんを出産し一時的に収入減に。それでも現在、貯蓄ペースは年間250万円超。資産総額は1300万円に達しています。しかも、3年前に300万円の繰上返済をした上での数字というから驚きです。
貯蓄法は、定期預金などの積立で確実に貯めることを基本にしています。その一方で、昨年から投資も始めました。メインは日本株。株価ではマイナスになってはいるものの、好みの株主優待や高配当を基準に選んでいるため、優待が届く楽しみやインカムゲインもあり、今後も継続していく予定だと言います。
ご主人の協力を得ながら正社員を続ける
奥山さんの家計で特筆すべきは、貯蓄を頑張りつつ、使うときは使う。メリハリを持たせた、そのバランス感覚でしょう。日々の節約に関しては、買い物に出掛けるとつい余分なものを買ったりするため、普段は主に宅配を利用しています。また、本はなるべく図書館利用で済ませ、購入する場合は、金券ショップで購入した図書券を活用。冬は暖房費節約のため、家族全員、室内でも厚着。エコキュートの深夜湯沸かしで光熱費もダウンしました。趣味のヨガとテニスも、ともに地元サークルに参加し、さほどお金はかからないとか。それでも、ときどき支出したい衝動にかられる。そのときは我慢せずドーンと使うのが奥山さん流。
「普段なら買わない数万円の洋服を買うとか、家族で高い焼肉屋さんに繰り出すとか。夏休みの家族旅行は、ハイシーズンで何かと割高ですが、それでも5日間は行くようにしています。それと私だけ、2カ月に1回、友達と買い物や食事に出掛けます。もちろん支出は増えますが、とてもいい気分転換になるんです」
こういった、しっかりと貯蓄のできるメリハリ生活を支えている要因のひとつが、奥様が正社員として働くことで、高い収入をキープしている点。現在は子育てもあり、時短制度を活用し、6時間勤務に。こういった勤務先のフォローにも助けられていると言います。そしてもうひとつ、ご主人の協力も欠かせません。
「子どもの面倒もよく見てくれるし、家事も手伝ってくれています。そして、私がときどき支出で暴走しないよう手綱を引いてくれるので、そういう点でも頼っています(笑)」
■FP深野康彦先生のワンポイント解説
「すべてを節約モードにせず、生活にメリハリを付けているのが、奥山さんの大きな特徴。これは見習いたい家計管理ですね。貯蓄の大敵は節約によるストレス。それを上手に発散させることで、継続を可能にしています。また、黒子に徹したご主人の協力も見逃せませんね」
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取材・文・撮影/清水京武 監修/深野康彦(ファイナンシャル・プランナー)