小学生でもわかる「アノ人・事件」のゆかりの地を紹介
本書に紹介されている事例から引いて見ると、歴史の舞台への華々しいデビューである平安京遷都はもちろん、遣唐使廃止の菅原道真(北野天満宮、以下括弧内はゆかりの地)、野村萬斎主演の映画「陰陽師」で知名度が一気に高まった安倍晴明(晴明神社)、他にも織田信長(本能寺)、豊臣秀吉(聚楽第)、新撰組(壬生寺)等々、覚えきれない程です。この「京都の地理」には、これらの「人」以外にも、応仁の乱、蛤御門の変等の「出来事」、日本人ならほぼみんなが知っている、きいた事があるといった事が時系列に、京都の地理と一緒に簡潔に説明されています。
京都好きなら知っておきたいコネタも記載!
「それくらいの事なら社会常識として知っています!」という方でも楽しめる本書。「京都の通り名」なんて定番ネタはもちろん、「京野菜」「京都につながる旧街道」「東山三十六峰」なども図解入りで記載されてます。昨今、住宅を探すときの必チチェック事項となった感もある地盤についても、「京都を襲った地震」「京都市の活断層図」があり大変参考になります。
ちなみに1830年に起きた推定マグニチュード6.5の「文政京都地震」はお蔭参り、すなわちお伊勢参りを怠った事による「神の罰」何だそうですって。
町にあるのは歴史、歴史を作るのは地理!
「はじめに」の部分に以下の様な著者の言葉がある。「歴史の部隊として取り上げられる場合が多い京都ではあるが、その歴史を地理的見地からもう一度見ると、もっとよく理解できるだろう。歴史は、その土地の地形や気候といった地理的環境と結びついているからだ」(本書p4より抜粋)
なぜそこに街が出来たのか、なぜその街が栄えたのか、衰退したのか。歴史を調べる事で答えはわかるが、歴史は「結果」であって、原因は「地理」。街の歴史を知り、なぜそうなったのかの原因を地理に求める。たまにはそんな風に街を見てみるのも、よい思考トレーニングになりそうですね。
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