ディーゼル×スポーツという“新鮮な”取り合わせ
試乗車は白で、とてもスポーティな装いだった。ちょっと派手過ぎて気恥ずかしいなあ、と思ったほどだ。これは試乗車がダイナミックスポーツパッケージを装着していたからだった。
ディーゼルとスポーツ。この縁遠いイメージの“新鮮な”取り合わせを意図的にアピールしていくこともまた、日本におけるディーゼルエンジンの一般的なイメージを向上させるためには大切だといえそうだ。
はたして乗ってみれば、重い巨体をモノともせずに、また、当然のことながら日本人のディーゼルイメージを木っ端みじんにしてしまうほどに、力強くて歯切れのいい走りを、ほぼ全域にわたって楽しめた。
街中をとろとろと走っているような状況では、たしかにディーゼルエンジンらしく、ボロボロボロボロと多少ぶざまな音が聞こえてくる。振動だって、小刻みながら、ガソリンに比べればやはり大きく感じてしまう。特に、エンジンを掛けた瞬間の音なんぞは、けっこううるさい。
けれども、ひとたびそこを乗り越えて、上の回転を使うような場面になってしまえば、驚くほどスムースにエンジンが回り、気持ちいいのひとこと。速度にさえのってしまえば、ディーゼルエンジンであることを忘れてしまうほどだ。このフィール、いちど味わうとヤミツキで、始動時や低速域の音などトレードオフして余りあると、誰だってきっと判断してしまうはず。もっとも、閑静すぎる住宅地では、ちょっと気も引けるかもしれない。
最後にもうひとつ、特筆しておきたいのは、そのディーゼルパワーを支えるシャシー&サスの、中高速域における優れたパフォーマンスだ。スーパーカーサイズの19インチタイヤとスポーツサスペンションが生み出すライドフィールは、最新クロスオーバーSUVはおろか高級サルーン級だといっていい。
尿素水溶液(アドブルー)を還元剤とし排気ガス中のNOx(窒素酸化物)を低減させるSCR(選択触媒還 元)システムを採用。排気ガス中のPM(粒子状物質)をフィルターに吸着させ燃焼・除去するDPF(粒子状物質除去フィルター)なども備え、ポスト新長期 規制をクリアする